(セ・リーグ、阪神2x-1ヤクルト、15回戦、阪神11勝4敗、16日、京セラドーム大阪)九回無死一、二塁。鳥谷がバットを横に寝かせた。3万超の観衆からどよめきが起きる。転がす。バーネットが大股でマウンドを駆け降り、拾うが、一塁悪送球。誰もが今季8度目のサヨナラ劇を確信した。和田監督の執念タクトにキャプテンが応えた瞬間に、それが必然となった。
「状況が状況なんで。サインが出れば、当たり前のことです」
カウント1-1。139キロの外角シンカーだった。犠打自体、昨季は5個記録しているが、今季初(犠飛は1個)。8月の月間打率は3割を超えた。右肩上がりになっている夏男が職人技を、いとも簡単に決めた。さすがだ。
「勝負どころ。よく鳥谷がいいバントをしてくれて、かつセーフになった。素晴らしいバントだった」