フリー打撃で飛んできた球を打ち返そうとしたが、空振りしてしまった秋山監督

　逆転Ｖを目指すソフトバンクが深刻な先発投手陣の“枯渇状態”に悩まされている。チームはようやく３位に浮上したが、前カードの西武３連戦で寺原と大場の２人が登録抹消。今日１７日からの日本ハム２連戦（帯広）はエース・摂津と初登板初先発のバリオスが先発する予定で、それ以降の６連戦はメドが立たない状況だ。この苦境を乗り切るためには“救世主”が現れるしかない。

　驚異の追い上げで逆転優勝を狙いたいソフトバンクが頭の痛い状況に陥っている。先発投手陣の深刻なコマ不足だ。秋山監督も「悩むねえ。どうしようかなあ。どうしよう」とボヤキ節連発だ。

　先週（６日〜１１日）の６連戦では６人の先発投手が揃っていた。しかし、そこから１人、また１人とリタイア。１１日の楽天戦で岩崎が初回５失点でＫＯされ、先発ローテ落ち。１３日の西武戦では寺原が故障離脱した。１５日の西武戦に先発した大場がわずか3分の１イニングでＫＯされ、首脳陣は二軍降格を決断せざるを得なかった。

　岩崎に代わって明日１８日の日本ハム戦には初登板初先発のバリオスを抜擢する。それでも、なお来週からの６連戦を乗り切るためには２枚足りない。現状では、リリーフから嘉弥真か巽、二軍から昇格の場合は新垣、山田、新外国人・オセゲラが候補になる。ただ、簡単に白羽の矢は立てられない。

　前カードの西武３連戦では先発が早いイニングでＫＯされるなか、救援投手の総動員で３タテに成功したが「西武戦ではリリーフを多めにしたなかでの戦いを考えていた。ただ、６連戦の中でああいう戦いを続けるのは難しい」（高山投手コーチ）。連戦が続く状況だけに、この先も救援陣をフル稼働させるわけにはいかない。ラストスパートに備えて、先発にある程度のイニングを投げてもらわなければ困る状況なのだ。

　現状では、二軍首脳陣からファーム組の状態について明るい報告は上がっていないという。その中で高山コーチは「この試合数になると、技術どうこうよりメンタルのほうが大きいと思う」と精神的なタフさを持った投手を優先起用する方針。また「適性を見たいというのもあるが、もしかしたらそんなことも言っていられないかもしれない」と、未知の新助っ人左腕・オセゲラを前倒し起用する可能性も否定しなかった。

　果たして、枯渇状態の中で救世主は現れるのか。西武３連戦で３３点を奪うなど打線は絶好調なだけに、この窮地をしのぎたいところだ。