【NQNニューヨーク=岩切清司】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落した。終値は前日比30ドル72セント(0.2%)安の1万5081ドル47セントと、7月3日以来、1カ月半ぶりの安値をつけた。8月の米消費者態度指数などの悪化や米長期金利の上昇が投資家心理を冷やした。短期的な戻りを期待した買いで上昇する場面もあったが、勢いが続かなかった。週間では2週連続の下落となった。
朝方発表の消費者態度指数(速報値)は市場予想に反して低下した。7月の米住宅着工件数は年率換算で89万6000戸にとどまり、90万~91万戸程度が目立った市場予想を下回った。景気の勢いの鈍さを示す経済指標が相次ぎ、先行き警戒感につながった。
米債券相場の下落に伴い長期金利が連日で上昇し、2.8%台に再び乗せた。住宅ローン金利などを通じた実体経済への悪影響が意識され、株式相場の重荷となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落し、前日比3.34ポイント(0.1%)安の3602.78で終えた。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は、「公益事業」や「電気通信サービス」を中心に8業種が下落。「資本財・サービス」と「IT(情報技術)」が上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億4000万株(速報値)、ナスダック市場は約14億7000万株(同)だった。
通信のベライゾン・コミュニケーションズや製薬のファイザーが下落。通期の利益見通しを引き下げた百貨店のノードストロームも下げた。アナリストによる投資判断の引き下げが伝わった食品のゼネラル・ミルズも売りに押された。
投資判断の引き上げが伝わったインターネットラジオ局運営のパンドラ・メディアが上昇。ITのヒューレット・パッカード(HP)や航空機のボーイングが上げた。
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