Updated: Tokyo  2013/08/17 10:11  |  New York  2013/08/16 21:11  |  London  2013/08/17 02:11
 

8月16日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが週間で上昇-指標受け緩和縮小の観測

ニューヨーク外国為替市場では、ドル が円に対し週間ベースではここ1カ月余りで最大の上げとなった。この日の経済指標では住宅着工件数の増加や労働生産性の上昇が示された。

ドルは今週、主要16通貨中13通貨に対して上昇。経済指標を受け、金融当局が緩和策の縮小を開始するとの観測が強まった。ただ債券利回りが約2年ぶり高水準に上昇したことや株価下落で、上昇幅は抑えられた。インド・ルピーは16日、ドルに対して最安値を更新。同国の経常赤字拡大が続くとの懸念が広がっている。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「市場参加者は9月に資産購入の縮小が始まる可能性が高いとみている。きょうの住宅着工件数でその見方が変わることはない」とし、「これから年末にかけて全般的なドル上昇が見込まれる」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対し前日比0.2%高の1ドル=97円53銭。週間では1.4%上昇と、7月5日終了週以降で最大の上げとなった。ドルは対ユーロではこの日0.1%高の1ユーロ=1.3329ドル。円は対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=130円ちょうど。

ブルームバーグ米ドル指数 は0.2%上昇の1022.06。今週は0.5%上げている。

ルピーが安い

ルピーは最安値を更新。インド準備銀行(中央銀行)は14日の発表資料で、同国企業が認可申請なしで海外投資できる額を従来の自己資本の400%から同100%へと引き下げたことを明らかにした。ルピー は0.3%安の1ドル=61.66ルピー。一時62.005ルピーと最安値を付けた。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、外為オプションの店頭取引は合計200億ドル。前日は280億ドルだった。この日の総額のうち対円でのドルのオプション出来高は31億ドルで、シェアは16%と最大。

米10年債利回り は今週25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、16日には2.86%を付けた。これは11年7月以来の高水準。株式市場ではS&P500種株価指数がこの日0.3%安。週間では2.1%下げた。

ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「国債利回りが上昇して株価は下げる。これはつまり、市場でドル建て資産が売られているということだ」とし、「長期的に見れば、米当局の緩和縮小や主要国の金融政策の方向性が分かれることは、ドルにプラスとなり得る」と続けた。

経済指標

米商務省が発表した7月の住宅着工件数 (季節調整済み、年率換算、以下同じ)は89万6000戸と、前月から5.9%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は90万戸だった。前月は84万6000戸と、速報値の83万6000戸から修正された。

米労働省が発表した4-6月(第2四半期)の非農業部門労働生産性指数(速報値)は前期比年率0.9%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.6%上昇だった。1-3月(第1四半期)は1.7%低下に下方修正された。

このほか今週発表された指標では、新規失業保険申請件数が07年10月以来の低水準となり、7月の消費者物価指数は3カ月連続上昇となった。

原題:Dollar Gains Versus Major Peers as Economic Data BacksTapering(抜粋)

◎米国株:続落、住宅着工や消費者マインドなど統計重視

16日の米国株 は続落。注目された経済統計では、7月の米住宅着工件数が前月比で増加した一方、消費者マインド指数は低下した。

S&P500種産業別10指数のうち8指数が下落。米10年債利回りが2年ぶりの高水準に上昇したことに反応し、高配当銘柄が特に下げた。ベライゾン・コミュニケーションズを中心に通信株が下落した。百貨店ノードストロームも安い。通期の売上高見通しを引き下げたことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1655.83。週間ベースでは2.1%安と、6月21日以来で最も下げた。ダウ工業株30種平均は30.72ドル(0.2%)安の15081.47ドル。週間ベースでは2.2%下げた。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの株式リサーチアナリスト、ブライアン・ブレル氏は、「米経済に対する市場の浮ついた見方は冷めたようだ」と述べ、「投資家らは経済統計を分析して、この先の方向性や米金融当局の行動を見極めようとしている」と続けた。

前日のS&P500種は1.4%下落。ネットワーク機器大手シスコシステムズと小売り大手ウォルマート ・ストアーズの業績予想が投資家の失望を誘った。また、融緩和策縮小をめぐる観測がさらに広がり債券利回りが上昇したことも、株の売りにつながった。

住宅着工件数、消費者マインド指数

米商務省が発表した7月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は89万6000戸と、前月から5.9%増加した。前月は84万6000戸と、速報値から修正された。一戸建ての着工件数は前月比で減少した。

8月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は80と、前月の85.1から低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は85.2だった。前月は2007年7月以来の高い水準だった。

ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査によると、65%が9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で債券購入の縮小が決定されると予想。前月の調査では50%だった。調査結果では債券購入の規模を100億ドル引き下げて月間750億ドルにするとみられている。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX )は2.4%低下の14.37。今月5日以来、同指数は21%上昇したが、年初からは20%低下している。

高配当銘柄が安い

高配当株は下落。債券利回り上昇に伴い、株式の相対的な投資妙味が薄れた。S&P500種産業別10指数の中で最も配当の高い通信株 は1%下落した。ベライゾンは1.7%下落。公益事業株は1.1%下げた。

ノードストローム は4.9%安。前日遅くに通期の業績予想が下方修正されたことを受けて、スターン・アギー・アンド・リーチはノードストロームの株式投資判断を「買い」から「ニュートラル」に引き下げた。

米百貨店JCペニーは3.1%下落 。前日までの2日間は上昇していた。アクティビスト(モノ言う株主)のウィリアム・アックマン氏は同社取締役を退いた。ブルームバーグがまとめた予想によると、20日に発表される四半期決算は純損失が拡大し、売上高が8%減少するとみられている。

一方、住宅建設株価指数 は0.1%上昇。S&Pスーパーコンポジット住宅建設指数は年初から6.1%低下している。パルトグループはこの日2.3%高で終えた。

原題:U.S. Stocks Decline as Investors Weigh Housing, ConfidenceData(抜粋)

◎米国債:続落、緩和縮小観測で-10年債利回り一時2.86%

米国債相場は続落。10年債利回り は週間ベースでは7月初め以来の大幅上昇となった。景気回復が強さを増す中、金融当局が9月に債券購入プログラムを縮小するとの見方が広がった。

5年債と10年債の利回り格差 はほぼ2年ぶりの幅に拡大し、経済成長を背景に長期金利は上昇すると投資家が見込んでいることを示唆。ヘッジファンドなど大口投機家は10年債の下落を見込んだポジションを増やした。

キャンター・フィッツジェラルドの金利取引責任者、ブライアン・エドモンズ氏は「波乱要因がたくさんある」と指摘。「米国債市場では買い手がそれほどいないという事実を認めなくてはならない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.83%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は16/32下げて97 5/32。

同利回りは一時2.86%と、2011年7月以来の高水準をつけた。週間 では25bp上昇し、7月5日終了週以来の大幅上昇となった。

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッジファンドなど大口投機家の10年債先物の売り越し は13日終了週に6万6432枚と、昨年7月6日終了週以来の最高となった。

「数字はやや弱め」

8月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は80と、前月の85.1から低下。下げ幅、率とも昨年12月以来の最大。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は85.2だった。前月は2007年7月以来の高い水準だった。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は電話インタビューで、「指標の数字はやや弱めだったが、今の市場の考え方を変えるほどではない」と指摘。「金利は上昇方向にあるとの考えを市場は固めている」と述べた。

5年債と10年債の利回り格差 は1.25ポイントに拡大、11年8月以来の最大に近づいた。6日には1.27ポイントに達していた。

UBSセキュリティーズの米国担当副チーフエコノミスト、ドルー・マタス氏は「当局が9月に緩和縮小に着手するとの見方は多い。当局にとってもそれは正しい行動だろう」と指摘。「長期的には、緩和策の継続なしでも切り抜けられる程度に経済は力強いと当局が認めることは、マイナスよりもプラスの側面が大きいと見なされるべきだ」と述べた。

金利見通し

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月17-18日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で債券購入プログラムの縮小を開始すると、ブルームバーグ・ニュースの調査に回答したエコノミストの65%が予想した。調査は8月9-13日に実施された。先月の調査では9月の開始を予想した回答は50%だった。

ブルームバーグがまとめたデータによると、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が2015年1月までに0.5%以上に引き上げられる可能性について、投資家らは50%とみている。

原題:Treasury Yields Drop Most in Week Since July on TaperingConcern(抜粋)

◎NY金:3日続伸、2カ月ぶり高値-現物買いが支え

ニューヨーク金先物相場は3日続伸。ほぼ2カ月ぶりの高値となった。現物需要に増加の兆しが表れたことが手掛かり。

業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が今週発表したところによると、4-6月(第2四半期)の世界の延べ棒とコインの購入は過去最高に達したほか、宝飾品の購入は2008年以来の最高となった。ブルームバーグが市場関係者を対象に実施した調査によると、13人が来週の金相場は上昇すると回答。4人は下落を予想、5人は中立姿勢を示した。

シティグループの商品先物スペシャリスト、スターリング・スミス氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「ここ最近の上昇は力強い現物買いに支えられている」と指摘。「ムードは確実に強気だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.7%高の1オンス=1371ドルで終了。引け後には一時1379.20ドルと、6月18日以来の高値をつけた。週間では4.5%高と、7月12日終了週以来の大幅上昇。

原題:Gold Reaches Two-Month High as Silver Caps Best Week Since2008(抜粋)

◎NY原油:6日続伸、エジプト騒乱で供給不安-暴風雨も警戒

ニューヨーク原油先物相場は6営業日続伸。エジプトの騒乱拡大で中東産原油の供給不安が高まり、4月以来で最長の連続高となった。

エジプトではモルシ前大統領派に対する治安部隊の武力排除で600人以上が死亡したことに抗議し、この日も大規模なデモが行われた。メキシコ湾岸では暴風雨の接近に備えて、エネルギー各社はプラットフォームから人員を退避させている。

アイアイトレーダー・ドット・コムの創業者で市場担当チーフストラテジストのリチャード・イルチスジン氏(シカゴ在勤)は「エジプトの緊張はエスカレートしており、明らかに価格プレミアムを拡大させている」と指摘。「メキシコ湾では暴風雨の可能性があり、相場を押し上げている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比13セント(0.12%)高の1バレル=107.46ドルで終了。今月1日以来の高値となった。

原題:Crude Caps Longest Streak of Gains Since April on EgyptUnrest(抜粋)

◎欧州株:上昇、鉱山株が高い-利益見通しでマースクに買い

16日の欧州株式 相場は反発。ストックス欧州600指数は前日に約5週間ぶり大幅安となっていた。航空銘柄が下げたものの、鉱山株の上昇が相場を支えた。

デンマークのコンテナ会社、APモラー・マースクは4年半ぶりの大幅上昇となった。傘下マースクラインの通期利益が昨年実績の4億6100万ドルを上回るとの見通しを示した。鉱山株指数は週間ベースで6週連続高となった。貴金属相場が15日遅くの取引で急伸したことが手掛かり。一方、ドイツのルフトハンザ航空は1.3%安。モルガン・スタンレーによる投資判断引き下げが嫌気された。

ストックス欧州600指数 は前日比0.3%高の306.36で終了。前週末比では0.1%高となった。前日は1.1%下げた。米失業保険申請件数 が予想を下回ったことを背景に、米金融当局が近く債券購入策を縮小するとの見方が広がったためだ。

バークレイズのウェルスマネジメント部門で株式戦略責任者を務めるウィリアム・ホブズ氏は「米経済がやや力強さを増しているようで、投資家らは朗報が悪材料かどうかを見定めようと試みている」と述べ、「市場を動揺させそうなのは緩和縮小のペースだ」と付け加えた。

16日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が上昇。独DAX指数は0.2%高。英FTSE100指数は0.3%、仏CAC40指数は0.8%それぞれ上げた。

原題:European Stocks Climb as Maersk Rallies on 2013 ProfitForecast(抜粋)

◎欧州債:スペイン債上昇、景気見通し改善で-独債ほぼ変わらず

16日の欧州債市場では、スペイン債を中心にユーロ圏のほぼ全ての国の債券相場が上昇。来週発表される域内のサービス業と製造業活動を示す指標では、景気回復に勢いがついている状況が示されるとみられている。

高利回り資産の需要増を手掛かりに、スペイン10年債のドイツ債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は2011年7月以来で初めて250ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を下回った。イタリア10年債利回り は6月以来の低水準に接近。この日発表された6月のユーロ圏輸出が増加したほか、7月のインフレ率は6カ月連続で欧州中央銀行(ECB)の目安である2%弱の水準を下回った。ドイツ10年債利回り は1年4カ月ぶり高水準まで4bpに迫った。

ヘッセン・テューリンゲン州立銀行(ヘラバ)の調査アナリスト、ラルフ・ウムラウフ氏(フランクフルト在勤)は「市場にはポジティブな勢いがあり、リスク回避の動きが後退している」とし、「来週の経済データはこのプラスの展開が続くことを示すだろう。スペイン国債が続伸すると確信している」と語った。

ロンドン時間午後4時44分現在、スペイン10年債利回りは前日比9bp低下の4.36%。これは5月31日以来の低水準 。同国債(表面利率4.4%、2023年10月償還)価格は0.735上げ100.34。ドイツ10年債に対するスプレッドは8bp縮小の248bp。12年7月は650bpだった。

イタリア10年債 利回りは6bp縮小の4.19%。13日には4.15%と、6月6日以来の低水準を付けた。

ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの1.87%。前日は1.91%と、昨年3月以来の高水準に達した。週間 では19bp上げ、6月21日終了週以来の大幅上昇となった。

英国債は下落。10年債は週間ベースで4週続落となった。利回りは前日に11年8月以来の高水準に達した。

英10年債利回り は前日比2bp上昇の2.70%。15日には2.71%まで上げた。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、0.135下げ92.39。

原題:Spanish Bonds Advance With Italy’s as Economic OutlookImproves(抜粋)U.K. Pound Posts Second Weekly Gain as Economy Gathers Momentum(抜粋)

記事についての記者への問い合わせ先:ニューヨーク 西前 明子 +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2013/08/17 06:50 JST

 
 
 
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