米国株:続落、住宅着工や消費者マインドなど統計重視
8月16日(ブルームバーグ):16日の米国株 は続落。注目された経済統計では、7月の米住宅着工件数が前月比で増加した一方、消費者マインド指数は低下した。
S&P500種産業別10指数のうち8指数が下落。米10年債利回りが2年ぶりの高水準に上昇したことに反応し、高配当銘柄が特に下げた。ベライゾン・コミュニケーションズを中心に通信株が下落した。百貨店ノードストロームも安い。通期の売上高見通しを引き下げたことが嫌気された。
S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1655.83。週間ベースでは2.1%安と、6月21日以来で最も下げた。ダウ工業株30種平均は30.72ドル(0.2%)安の15081.47ドル。週間ベースでは2.2%下げた。
ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの株式リサーチアナリスト、ブライアン・ブレル氏は、「米経済に対する市場の浮ついた見方は冷めたようだ」と述べ、「投資家らは経済統計を分析して、この先の方向性や米金融当局の行動を見極めようとしている」と続けた。
前日のS&P500種は1.4%下落。ネットワーク機器大手シスコシステムズと小売り大手ウォルマート ・ストアーズの業績予想が投資家の失望を誘った。また、融緩和策縮小をめぐる観測がさらに広がり債券利回りが上昇したことも、株の売りにつながった。
住宅着工件数、消費者マインド指数米商務省が発表した7月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は89万6000戸と、前月から5.9%増加した。前月は84万6000戸と、速報値から修正された。一戸建ての着工件数は前月比で減少した。
8月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は80と、前月の85.1から低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は85.2だった。前月は2007年7月以来の高い水準だった。
ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査によると、65%が9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で債券購入の縮小が決定されると予想。前月の調査では50%だった。調査結果では債券購入の規模を100億ドル引き下げて月間750億ドルにするとみられている。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX )は2.4%低下の14.37。今月5日以来、同指数は21%上昇したが、年初からは20%低下している。
高配当銘柄が安い高配当株は下落。債券利回り上昇に伴い、株式の相対的な投資妙味が薄れた。S&P500種産業別10指数の中で最も配当の高い通信株 は1%下落した。ベライゾンは1.7%下落。公益事業株は1.1%下げた。
ノードストローム は4.9%安。前日遅くに通期の業績予想が下方修正されたことを受けて、スターン・アギー・アンド・リーチはノードストロームの株式投資判断を「買い」から「ニュートラル」に引き下げた。
米百貨店JCペニーは3.1%下落 。前日までの2日間は上昇していた。アクティビスト(モノ言う株主)のウィリアム・アックマン氏は同社取締役を退いた。ブルームバーグがまとめた予想によると、20日に発表される四半期決算は純損失が拡大し、売上高が8%減少するとみられている。
一方、住宅建設株価指数 は0.1%上昇。S&Pスーパーコンポジット住宅建設指数は年初から6.1%低下している。パルトグループはこの日2.3%高で終えた。
原題:U.S. Stocks Decline as Investors Weigh Housing, ConfidenceData(抜粋)
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更新日時: 2013/08/17 06:45 JST