Updated: Tokyo  2013/08/17 10:10  |  New York  2013/08/16 21:10  |  London  2013/08/17 02:10
 

8月16日の米国マーケットサマリー:株と債券続落、ドルは週間で上昇

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  8月16日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)


為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3333   1.3347
ドル/円             97.62    97.37
ユーロ/円          130.16   129.97


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       15,081.47     -30.72     -.2%
S&P500種           1,655.83      -5.49     -.3%
ナスダック総合指数    3,602.78      -3.34     -.1%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .34%        .00
米国債10年物     2.82%       +.06
米国債30年物     3.84%       +.03


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,371.00    +10.10    +.74%
原油先物         (ドル/バレル)  107.71      +.38     +.35%

◎NY外為市場

ニューヨーク外国為替市場では、ド ルが円に対し週間ベースではここ1カ月余りで最大の上げとなりそうだ。この日の経済指標では住宅着工件数の増加や労働生産性の上昇が示された。

ドルは今週、主要16通貨中12通貨に対して上昇。経済指標を受け、金融当局が緩和策の縮小を開始するとの観測が強まった。ただ債券利回りが約2年ぶり高水準に上昇したことや株価下落で、上昇幅は抑えられた。インド・ルピーは16日、ドルに対して最安値を更新。同国の経常赤字拡大が続くとの懸念が広がっている。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「市場は9月に資産購入の縮小が始まる可能性が高いとみており、きょうの住宅着工件数でその見方が変わることはない」とし、「これから年末にかけて全般的なドル上昇を見込んでいる」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時11分現在、ドルは円に対し前日比0.2%高の1ドル=97円56銭。週間では1.4%上昇と、7月5日終了週以降で最大の上げとなっている。ドルは対ユーロではこの日0.1%高の1ユーロ=1.3331ドル。円は対ユーロで0.1%安の1ユーロ=130円07銭。

ブルームバーグ米ドル指数 は0.2%上昇の1021.87。今週は0.5%上げている。

◎米国株式市場

16日の米国株 は続落。注目された経済統計では、7月の米住宅着工件数が前月比で増加した一方、消費者マインド指数は低下した。

午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1655.83。ダウ工業株30種平均は30.72ドル(0.2%)安の15081.47ドル。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの株式リサーチアナリスト、ブライアン・ブレル氏は、「米経済に対する市場の浮ついた見方は冷めたようだ」と述べ、「投資家らは経済統計を分析して、この先の方向性や米金融当局の行動を見極めようとしている」と続けた。

米商務省が発表した7月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は89万6000戸と、前月から5.9%増加した。前月は84万6000戸と、速報値から修正された。一戸建ての着工件数は2.2%減少して59万1000戸だった。

◎米国債市場

米国債相場は続落。10年債利回り は週間ベースではほぼ2カ月ぶりの大幅上昇となった。景気回復が強さを増す中、金融当局が9月に債券購入プログラムを縮小するとの見方が広がった。

5年債と10年債の利回り格差 はほぼ2年ぶりの幅に拡大し、経済成長を背景に長期金利は上昇すると投資家が見込んでいることを示唆。労働市場の改善が示されたことを受けて、緩和縮小観測があらためて強まった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利取引責任者、ブライアン・エドモンズ氏は「波乱要因がたくさんある」と指摘。「米国債市場では買い手がそれほどいないという事実を認めなくてはならない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時55分現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.84%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は18/32下げて97 3/32。

同利回りは一時2.86%と、2011年7月以来の高水準をつけた。週間 では26bp上昇し、6月21日終了週以来の大幅上昇となった。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は3日続伸。ほぼ2カ月ぶりの高値となった。現物需要に増加の兆しが表れたことが手掛かり。

業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が今週発表したところによると、4-6月(第2四半期)の世界の延べ棒とコインの購入は過去最高に達したほか、宝飾品の購入は2008年以来の最高となった。ブルームバーグが市場関係者を対象に実施した調査によると、13人が来週の金相場は上昇すると回答。4人は下落を予想、5人は中立姿勢を示した。

シティグループの商品先物スペシャリスト、スターリング・スミス氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「ここ最近の上昇は力強い現物買いに支えられている」と指摘。「ムードは確実に強気だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.7%高の1オンス=1371ドルで終了。引け後には一時1379.20ドルと、6月18日以来の高値をつけた。週間では4.5%高と、7月12日終了週以来の大幅上昇。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場は6営業日続伸。エジプトの騒乱拡大で中東産原油の供給不安が高まり、4月以来で最長の連続高となった。

エジプトではモルシ前大統領派に対する治安部隊の武力排除で600人以上が死亡したことに抗議し、この日も大規模なデモが行われた。メキシコ湾岸では暴風雨の接近に備えて、エネルギー各社はプラットフォームから人員を退避させている。

アイアイトレーダー・ドット・コムの創業者で市場担当チーフストラテジストのリチャード・イルチスジン氏(シカゴ在勤)は「エジプトの緊張はエスカレートしており、明らかに価格プレミアムを拡大させている」と指摘。「メキシコ湾では暴風雨の可能性があり、相場を押し上げている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比13セント(0.12%)高の1バレル=107.46ドルで終了。今月1日以来の高値となった。

更新日時: 2013/08/17 05:37 JST

 
 
 
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