国の特別天然記念物のコウノトリ一羽が掛川市大渕の田んぼに飛来しているのを、日本野鳥の会会員で野鳥写真家の大石斎(いつき)さん(77)=同市浜野新田=が写真に収めた。
大石さんによると、十五日朝、知人からの連絡で駆け付けると、田んぼで餌のカエルなどをついばんだり、左右で二メートルほどにもなる翼を広げたりしていた。繁殖に取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)の足輪を付けており、今年四月に生まれ、六月に放鳥された雄とみられる。
コウノトリはかつて日本各地に生息していたが、農薬の散布や乱獲のために激減し、国内の野生種は一九七一(昭和四十六)年に絶滅した。
大石さんは「自然環境が豊かで、餌が取れると気に入ったのだろう。見かけても静かに見守ってほしい」と話していた。
(佐野太郎)
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