名古屋グランパスのFW永井謙佑(24)がチーム再加入後の初戦となる広島戦(17日・Eスタ)で自らの復帰を祝うゴールを狙う。スーパーサブとして途中出場が濃厚で、永井は「一発目の試合ですから」とやる気満々。大事な首位・広島との決戦でスピードスターがあいさつ代わりの一撃を見舞う。
内に秘めた闘志が「背番号18」の体を突き動かす。広島戦を翌日に控えた16日。全体練習が終わった後のガランとしたグラウンドに、一人黙々と走る永井の姿があった。努力している姿をめったに人前では見せない永井が、禁を破って居残り練習していた。
「時差ぼけはもう大丈夫なんですが、この暑さに慣れないと。ベルギーも暑かったけど、この湿度の高さは向こうにはない」。11日に帰国してから中5日で迎える広島戦。酷暑に順応しきれていない体をあえて太陽の下にさらしていた。
スタンダールでの失意の6カ月を経て、久々に日本のサポーターの前に姿を現す。自然と気持ちは高ぶる。永井は「一発目の試合ですから。自分が入って負けたとは言われたくない」と語る。ましてチームは5連勝中。復帰初戦で絶対敗れるわけにはいかない。エンジン全開でゴールを狙う心積もりだ。
ストイコビッチ監督は「広島戦はベンチスタートになるだろう。彼の能力、ポテンシャルはよくわかっている」と語った。指揮官は永井の武器であるスピードの生かし方を心得ている。スーパーサブとして勝負どころで投入されることになりそうだ。
永井は「ボクがいない間に輝希が点を取ったみたいですね。まずはそこを目標にします」とにこやかに語る。永井がベルギーでプレーしている間、弟分のMF田中輝はJ初ゴールを含む2得点を挙げた。昨季10得点の男にとってはやや低いハードルだが、いたずらに大言壮語しないのも永井らしさ。一歩一歩着実に。スピードスターがその力を証明していく。
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