福知山・屋台爆発:実行委、火気は事実上ノーチェック

毎日新聞 2013年08月17日 02時30分(最終更新 08月17日 02時40分)

記者会見で顔をしかめる花火大会実行委員会会長の谷村紘一・福知山商工会議所会頭=京都府福知山市で2013年8月16日午後2時0分、宮武祐希撮影
記者会見で顔をしかめる花火大会実行委員会会長の谷村紘一・福知山商工会議所会頭=京都府福知山市で2013年8月16日午後2時0分、宮武祐希撮影

 負傷者60人を出した京都府福知山市の花火大会での爆発事故で、実行委員会は16日記者会見し、防火対策が業者任せだったことを認めて陳謝した。少量のガソリンの扱いについては専用の容器で保管する以外は法的な規制はなく、使用者任せになっているのが実情だ。多くの人が集まるイベントの安全対策が問われている。一方、重傷者の周囲の人たちは一日も早い回復を祈った。【佐藤孝治、花澤茂人、寺岡俊】

 実行委会長を務める福知山商工会議所の谷村紘一会頭は「道義的責任はあり、負傷者に心からお見舞い申し上げるとともにおわびしたい」と述べた。

 実行委は昨年から、出店者に販売する食品や責任者を記載した申請書の提出を求めているが、火気取り扱いに関する条項はない。実行委は「申請書提出時に口頭で十分注意するよう伝えていた」と説明。谷村会頭は「警察との雑踏警備などが大変で、とても1店ずつ防火対策を指導できない。業者の自主管理扱いだった」と、事実上ノーチェックだったことを認めた。

 ただ、福知山市はイベントへの屋台出店者に火気取り扱いに関する申請を義務付けておらず、市消防本部への申請も必要ない。谷村会頭は今回の事故について「露天商の知識不足、火気の取り扱いのミスだと思う」とし、実行委側に直接的な過失はないとの認識を示した。その上で負傷者に「限度はあるかもしれないが、できる限り支援したい」と述べた。

 京都府警によると、負傷者のうち、やけどの症状が特に重いのは3人。意識不明の重体となっている綾部市立綾部中1年の男子生徒(13)は、両親と姉の家族4人で花火を見に来ていた。近所の人は「仲良しの家族。そろって花火を楽しもうとしてこんな事故に巻き込まれるなんて」と絶句。学校関係者は「とにかく元気になってほしい」と話した。

 また、同府京丹波町の小学5年の男児(10)は少年野球チームで活躍するスポーツ少年で、祖父や友人らと花火を見に行ったとみられる。近くの男性は「野球が大好きでいつも家の前で友達とキャッチボールしていた。おじいさんがかわいがっていて、よく花火を見に行っていた」と心配そうな表情を浮かべた。

 近所の女性は、孫が男児と一緒に花火大会に行ったという。「孫もやけどを負った。男児と孫は兄弟のように毎日、一緒に遊んでいる。早く良くなってほしい」と祈るように話した。

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