2013.8.16 21:06

「客を驚かせようと」観光車両横転、6人重軽傷

 16日午前9時10分ごろ、富山県南砺市のホテル「アローザ温泉野草の宿来夢」が運行する観光車両が横倒しとなった。乗っていた宿泊客の川口純子さん(65)=大阪府河内長野市=が左肩の骨などを折る重傷、川口さんの夫(67)など乳児を含む親族5人が擦り傷などの軽いけが。

 運転していたホテルの男性社長(71)は「客を驚かせようと、右回りを繰り返す運転をした」と話しており、南砺署はスピードの出し過ぎなどが事故につながったとみて、業務上過失傷害容疑で調べている。

 横転したのは、トロッコを模した車両3台をけん引し、路上を走行できる「ロードトレイン」と呼ばれる観光車両。北陸信越運輸局に届けずに市道を走行していたことも判明し、道路運送車両法違反の疑いもある。

 ホテルの東憲如支配人は「20年前に警察に相談し、許可を得たと思っていた」と説明している。

 宿泊客へのサービスとして21人を乗せて、ホテルの周囲にある観光施設「アローザ村」を1周。ホテル前に戻ってきて右回りを繰り返していると、最後尾の10人が乗っていた車両が横転した。ホテルによると、観光車両は4、5年前からほぼ毎日運行。約1年前から、客を驚かせるため、ホテル前を3周するようになった。

 アローザ村にはスキー場やキャンプ場などがあり、ホテルは1993年に開業した。(共同)