荀シン(何故か変換できない)が恋姫的世界で奮闘するようです (なんやかんや)
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オリキャラ、オリ設定ばかりです。



崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中

友若が販売を始めたWAFUKUは当初全く売れなかった。
友若のWAFUKUは余りに斬新すぎたのだ。
もちろん、市場では斬新なデザインが持て囃されているが、斬新さにも程度というものがある。
あと、市場のトレンドを外していた。
一応狙いはあったのだが、上手くは行かなかった。

この時代のトレンドはセクシャルで露出度の高い水着のような服である。太ももを隠すスカートのような布はひざ上20cmとか、そんなもんである。
階段下から見上げれば確実に見える。
実にけしからん、もっとやれ。
何故、このような服が流行しているかというと、背景として結婚率の低下がある。

女尊男卑の恋姫的な世界では矢鱈と気の強い女性が多い。
男性兵士を力で真正面から圧倒する武将もいれば、圧倒的な能力差を示す文官とかの存在を考えれば、多くの男女間の関係は現代風に表せば、ヒモとバリバリの企業戦士とかそんな感じになる。女性たちにしてみれば、偉大なる将軍や行政官のように強く賢く美しくなることが理想としてある。
もちろん、そうしたタイプが好みだと言う男は一定数存在する。
だが、一方で庇護欲を誘うようなタイプが良い! と強く主張する男もいる。というか、こんな世界にも関わらず、そうした男は多かった。
劉備あたりがやたらと持てるのもそうした理由がある。アイドルが矢鱈と流行ったのも同様の理由である。
この世界において多くの男性の理想は小動物系女子や可愛い系女子であり、一騎当千系女子やチート軍師系女子では無かったのである。
結果として、この世界では女性が理想とするタイプのマジョリティー、『強く賢く美しく』と、男性の女性に求めるタイプのマジョリティー、『か弱くアホ可愛く純真』との間で不一致が生じていた。
売り手側と買い手側の悲しいミスマッチである。

え? 気の強い女性のほうがいいに決まっている?
それについては強く同意するが、この作品ではこうした方向性で進めていくので、庇護欲系がいいとか抜かす男性を呪っておいて下さい。
華琳ちゃんペロペロ。

まあ、男性としては本能的に女性を独占したいものだが、女性としては条件が悪ければよりより男子に乗り換えたいと思うものである。
自分の遺伝子を可能な限り残す戦略としてこれはしかたのないことである。
正史では基本的に男性が女性に対して全体的に優位であったために、女性は男性に独占されるものであった。
ところがこの外史においては女性が全体的に優位であるために正史のようには行かない。
種馬というものは他によりよい種馬がいれば容易に切り捨てられるのである。
儒教的に離婚や浮気というのは悪とされてはいたが、この世界で妻の浮気を防ぐにものはせいぜい道徳精神程度しかなかったのである。
なんか、各方面から怒られそうだから、補足しておくと、もちろんこの世界には一途で決してNTR等起こらない素晴らしい女性も沢山いる。
とは言え、全体としてみた時に、浮気を罰するだけの権力が夫の側にないのである。
そうするとどうなるか。
男性としては浮気しなさそうな一途な女性を選びたいのである。
一騎当千系、チート軍師系、小動物系、この中でどのタイプが最も一途な女性である可能性が高いだろうか。
男性としては最後のタイプが最も浮気とかしなさそうだと偏見するのである。
もしくは清楚系。
そうでなければ、真面目系であり、強く賢い女性というのは例え美しくても婚活市場では売れ残り易いのである。

ところが、女性たちは結婚しないで済ます訳にはいかない。
この恋姫的な世界でも儒教というのは人々の考えの根底を形成しており、結婚をして子供を産まないということはそれだけで罪である。
何としてでも結婚相手を見つけて子供を産まなければならない。
結果として、婚活系女子たちは矢鱈と露出度の高い服を身にまとうようになる。
その色香につられてふらふらと近づいてきた男子の中から有望そうなのを食虫植物のようにぱくりといただくのである。
けしからん。筆者としては是非ともパクリと食べられたいところである。

とはいえ、多くの男性にしてみれば、いつ浮気されるかも、捨てられるかも分からない相手と結ばれたくはなかった。
恋姫的な世界もNTR属性の無い男子の方が多いのである。
多くの男性にとって昼間からセクシャルな相手とは一夜の関係で済ませるべきものであって連れ添うべき相手ではなかった。

もちろん、男性側のそうした心理を心得た一部にはあたかも可愛く小動物系であるかのように装う女性もいる。
友若としては、こうした女性たちを対象として、外面が非常に清楚に映える異国風のWAFUKUを売りだした。
新規参入にあたってはニッチな需要を満たす商品を提供すべしという経営戦略にも叶った判断のはずであった。

しかしながら、残念なことにWAFUKUというものは斬新すぎた。
友若が顧客として想定した猫被り系女子にとって、斬新すぎるというのは決して良いことではない。
彼女たちは自らを小動物系や純真系と見せかけたいわけであり、奇抜な格好をすると周囲に思われたいなどとは考えてもいないからである。
友若の市場調査ミスであった。

見切り発車で商売を始めた友若は学資として渡された資金の殆どをWAFUKUに変えていた。
結果として友若は処理に困る大量の不良在庫を抱え込んだのである。
資金難に喘ぎ、あわや餓死しかけた友若を救ったのは、洛陽で憲兵をしていた崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中であった。
強く、気高く、生真面目であった崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中は餓死しかけていた友若(自業自得)に対して食事を提供するどころか、当座を凌ぐ資金を渡した。
女神のような崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中に感激した友若はせめてものお礼にと、彼が不良在庫として抱えていたWAFUKUを一着差し出したのである。
崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中は最初、礼を期待して助けたわけではないと友若の申し出を断ったが、根気強くお礼がしたいという友若に根負けして、彼がデザインしたWAFUKUを受け取った。

崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中は友若から貰ったWAFUKUを持て余した。
もう後がない崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中にとって奇抜とも見えるWAFUKUを身にまとうということは相当な賭けであった。
しかしながら、今までの涙ぐましい努力が一向に成果を上げていないことや、最近彼氏との関係が微妙になりつつあること、同僚に何ヶ月で別れるかを賭けの対象にされていることに焦っていた崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中は日本風に言えば清水の大舞台を飛び降りる覚悟でWAFUKUを着込んでデートに出かけ、ものの見事にゴールインしてみせた。
普段着慣れていない和服に戸惑ったり、いつもの様に大股であることができず、つんのめってハワワとなりかけたり、友若のWAFUKUには下着を着けないという言葉に従った結果として羞恥心で顔を真赤に染めたことが交際中の彼氏の心の琴線にビンビンと触れたのだ。

崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中改め、幸せな新婚憲兵(29)がひと月で別れると賭けていた同僚(28)は結果として、結婚まで至る事に賭けていた純朴な新人に給料の半分奪われた。
不幸な事件であった。
同僚(28)は腹いせとばかりに友若に文句を言いにやって来た。
同僚(28)は数時間にわたって愚痴り続けた後、友若の抱えていたWAFUKUの在庫を買い占めて去っていった。
その一週間後、友若のWAFUKUには注文が殺到した。
WAFUKUを着た女性が立て続けにゴールインしたという噂が洛陽の女性たちの間に広まったのだ。

何故WAFUKUを着込んだがこれほどまでに成功を収めたのか。
その答えはギャップ萌えである。
基本的に恋姫世界の女性の武人は男性に比べて圧倒的な性能を誇る。
何しろトップ層は人を切るのではなく吹き飛ばすのだ。
例えばこの世界のとある呂布的なチート武将である誰とは言わないが奉先は人間を楽々と10mは殴り飛ばす。
ここで人間の体重を70kg、身長を170cmで殆ど水平に吹き飛ばされると仮定すると、その初速度は17m/sで時速に直すと60km/hを超える。
拳の接触時間を0.1秒とすれば、奉先のパンチ力は1.2トンである。
ボブサップは210kgだ。
なにそれ怖い。

ともかく、恋姫的な世界の武人というのは男性にとってなかなか近づきがたい相手なのである。
きゃーエッチとかそんな感じでビンタを食らったとすると、当たりどころが悪ければそれだけで死にかねない。
というわけで、男性は武人と相対する際は常に極限の緊張を強いられるものなのである。
相手が真面目なタイプであれば尚更だ。
例として、匿名希望の崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)の交際事情について考察してみよう。
なんだかんだ言って見目麗しく真面目で思いやりのある匿名希望の崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)はそれなりに男性を惹きつける。
例えば、匿名希望の崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)の下に配属された新人の兵士とかは結構な確率で彼女に惹かれるのである。
匿名希望の崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)の名誉のために言っておくと彼女には若いツバメとかそんな考えはない。
ともかく、匿名希望の崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)に憧れた若いツバメは精一杯の勇気を振り絞って付き合ってくださいと告白するのである。
匿名希望の崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)もにくからず思っている真面目な部下に今度こそはと応じるのである。
そして、交際を初めて、清く正しくデートとかをするわけなのだが……
匿名の崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中武人は真面目であることにそれなりに誇りを持っているわけだから、デートの時も常に凛とした態度を崩さない。
自分のアピールポイントを全面に出す戦術である。
若くて真面目なツバメ君が崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)に惹かれたのもそれが理由であるから、彼女としてはその前提を崩さないように必死なのである。
もうそろそろ、本当に後がないわけであるし。
そして、この優位な点で戦うというのは戦術の基本である。あるのだが。
しかし、誰とは言わないが崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)の真面目であるという特徴は男性から見た場合、必ずしも優位点とはならないのである。
男性としては甘酸っぱい体験とかAとかBとかCとかがしたいのだ。本音を言えばもっと先までしたいのである。
三大欲求の一つである性欲に男性は逆らえないものなのである。
女性優位な社会であるため、娼婦とかが不足気味な社会情勢もそれを後押ししていた。
ぶっちゃけ溜まっている。
ところが、真面目一辺倒を必死にアピールする崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(仮名)はとてもじゃないがヤろうとか言える雰囲気ではない。それどころかキスや手を繋ぐといったデートの基本すらも中々できないのである。
その結果男性はデートの最中、ずっと悶々とした気持ちに苛まれることになる。
甘酸っぱい思い出を作るはずのデートでさえこれなのだ。結婚なんかしたら気の休まる時がないじゃないか。
若いツバメ君がそう思ったとしてもおかしくない。
確かに、若いツバメ君は崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)の事を尊敬しているし、憧れている。
でも、健全な男子としてはなんというかイケナイコトをしたくてしたくてたまらないのだ。
終わりの見えないお預け状態には耐えられないのだ。
そして、崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)と若いツバメ君の関係はだんだんと冷めていき、焦った崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)がもっと生真面目に、凛としてと振る舞うも、それはむしろ逆効果で……
実際、そんな感じの理由で、崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中だった幸せな新婚憲兵(29)は連敗につづ連敗を重ねていた。

ここで、こうした生真面目系がWAFUKUを来てデートにやってくるとどうなるか。
WAFUKUというのはやたら歩幅が狭い。
普段足元が開放的な恋姫世界の女性たちにしてみればちょっとした拘束レベルである。
WAFUKUに慣れていない女性たちにしてみれば歩きにくくて仕方がない。
バランス感覚に優れた武人とは言えど、いや、だからこそ、普段と異なる歩幅に躓いたりするわけである。
どこかの誰とは言わないが奉先という呂布のような人ならそれでも問題なく歩いてみせるのだろうが、そこそこの武人である憲兵にとってはそれは不可能だ。
結果、つまずいでおでこあたりを地面にぶつけ、涙目になるのである。
慣れないWAFUKUを着た崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)が躓くのは一度や二度ではない。
そして、崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)が転びそうになれば、若いツバメ君としても彼女の体を支えるべく体に直接触れることができるのだ。
長い間、触ることも出来なかった崖っぷち婚活戦士(29)現在15代目彼氏と交際中(元)の体、そして、日頃見せない醜態に湯気が出そうなまでに顔を赤らめて恥ずかしそうにする様子。
普段の毅然とした完璧超人的な様子とのギャップはYAMATONADESHIKO的な雰囲気も相まって凄まじい破壊力を持っていた。
倦怠期から一瞬で結婚まで行くのも無理は無い。

そんな訳で、友若も予想もしていなかったことだが、WAFUKUは生真面目武人系女子の婚活における最終兵器として漢帝国に知れ渡り、その売上を広めていくことになったのである。


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