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【政治】

秘密保全法案 提出へ 臨時国会 情報漏えい罰則強化

 政府は機密情報の管理徹底を目的とする特定秘密保全法案を秋の臨時国会に提出する。情報漏えいの罰則強化が柱で、国民の「知る権利」の制限や報道機関の取材の自由の侵害が懸念される。

 政府は、首相官邸主導で外交・防衛政策を進める国家安全保障会議(日本版NSC)の年内創設を目指している。事務局として国家安全保障局も設け、米国などと機密情報を共有したい考え。そのためには、情報管理の一層の徹底が必要だとして、秘密保全法案をつくることにした。

 現在、自衛隊法などで武器情報などを漏らせば五年以下の懲役、米国提供の情報を日本に危害を加える目的で漏らせば、十年以下の懲役。他の情報を漏らすと国家公務員法で一年以下の懲役か五十万円以下の罰金刑が科せられる。これらの罰則を厳しくする方針だ。

 処罰の対象者は主に国家公務員だったが、独立行政法人の職員や国の委託を受けて機密情報を扱う民間業者も対象にする。首相や政務三役も罰則対象に加える方向だ。

 記者が、公務員から「脅し」や「そそのかし」により機密情報を得れば処罰する方向。脅しなどの定義はあいまいで、拡大解釈されれば、報道の自由は大きく制限される。

 情報を扱う人の適性評価制度を設け、病歴や海外渡航歴の調査を徹底する。調査権限は各閣僚が持つ。調べられる側の同意が必要だが、プライバシー侵害の可能性がある。

 公明党は厳罰化に慎重。日本弁護士連合会は法案に反対を表明した。 (大杉はるか)

 

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