【更新情報】
こいまお!! 1P(600字程度)更新しました。意外な物が出ました^^ 読まれてたかな?(^▽^;)
アルファポリスの「第3回ファンタジー小説大賞」で読者賞を受賞した同作品の最終巻です(^∇^)
貧乏伯爵家のシュエラは、ラウシュリッツ王国国王シグルドの愛妾となるため王城へ上がった。
様々な困難を乗り越えながらも次第に心惹かれ合うシュエラとシグルド。
しかし大国グラデンヴィッツ帝国から、シュエラの身柄と引き替えに和平を結ぶという難題をけしかけられる。
悩むシグルドの取った決断とは――
5巻分のあらすじは書けません(;^_^A
どれだけ長くなることやらw
ラブファンタジーは割と好きでよく読むのですが、この作品は今まで読んだラブファンタジーの中でも1、2を争う面白さでした。
しっかりと練られた世界観とストーリー。
個性がしっかりとしてブレないキャラたち。
シリアスでいて、それでも笑いやほのぼのとしたシーンもしっかりと押さえてある。
感動的なシーンや涙を堪えきれない悲しいシーンもある。
1巻からずっと追ってきただけに、完結の感動は一入です。
全体的に不幸で不遇だったヒロインだったので、ハッピーエンドはとても嬉しいですね(‐^▽^‐)
予定調和だったとしても。
以前「キャラ小説」と「ストーリー小説」について記事を書いたことがあります。
ファンタジーというジャンルは、基本的にはストーリー小説だと思います。
しかし昨今ラノベを中心としたファンタジー作品は、キャラ小説ばかりです。
それが悪いというわけではありませんが、キャラ小説に走りすぎるとストーリーがおろそかになりがちなんですね。
この作品もキャラ小説ですが、ストーリーもしっかりしているのですぐに作品世界にのめり込めます
それでもやはりキャラたちの魅力はすばらしいですね。
いろいろお気に入りのキャラはいるのですが、やはりここはヒロインのシュエラでしょう。
シュエラは純粋で明るく、前向きで真っ直ぐな性格の女の子です。
割とぐじゅぐじゅして思い悩む系の多いラブファンタジーのヒロインとしては、まるで青春小説の主人公のような爽やかさです。
何があってもへこたれず、前向きに頑張ることのできる女の子です。
ラブファンタジーだけにメインの展開は恋愛ですが、ヒロインの性格や生き方も大事なメッセージだと思います。
生きることってほんとたいへんです(>_<)
でもシュエラを見て(読んで?)いると、元気をもらえます。
間違ったことには相手が例え国王だろうとはっきり間違っていると言える。
自分を憎んでる相手さえも許し、思いやりをもって接することができる。
誰とでも分け隔てなく接することができ、自然に味方が増えていく。
ヒロインシュエラには、人間関係の難しくなった現代を心身ともに健康で生き抜く理想像を感じます。
思い悩んで病んでしまったこともありますが、それも純粋な心があるがゆえ。
シュエラの故郷では、町中の人がシュエラの味方です。
そんな素敵なヒロインの魅力が、この物語のクオリティを一段高くしているのでしょう。
他にもケヴィンやカチュア、マントノン夫人やヘリオットなど魅力溢れる脇役たちがいます。
一人一人細かく語りたいところですが、長編小説ほどの分量になってしまうのでやめますw
とにかくキャラ小説のいいところを存分に発揮されているなぁと思いました。
気になるところもありました。
例えば、5巻ともなるとさすがにいちいち前巻までのストーリーを振り返ってはいられない。
だから読み始めた時、誰が誰だか混乱しました。
特にシュエラの侍女たちです。
かろうじてカチュアは飛び抜けて明るい性格だったのですぐにつながりましたが、他の侍女たちは結局最後まで区別できませんでした。
カタカナ名の名前だけで区別するのは無理ですね。
1巻から5巻まで一気に読めば問題はないと思います。
4巻を読んでからだいぶ期間が空いてしまったので、記憶もだいぶ薄れてしまっていたんですよねぇ。
それが残念でした。
ストーリーはきちんとつながったので、ストーリーには問題はなかったと思います。
脇役の区別化、キャラ立てにもう一工夫あるとよかったかもしれません。
カレン、マチルダ、セシール、フィーナ……
この4人は誰がどんな役割と性格を持った侍女なのか、最後までわかりませんでした。
記憶力の弱い自分のせいなんですが(>_<)
そして忘れてはいけない大事なキャラが、元王妃エミリアです。
彼女の存在は大きかったですね。
始めは謎に包まれていましたが、最終巻では物語の趨勢を決める重要な役割を果たしました。
番外編でもいいから、シュエラとエミリアをもう一度会わせてあげてほしいなぁって思いました。
もう一つ気になったことがあります。
タイトルです。
「これが」の意味がわかりませんでした。
「これが」と付くと、誰かに紹介しているとか見て確認しているといった印象を受けます。
ラストあたりにタイトルと同じセリフが出てくるのかなと思いましたが、「旦那さま」というキーワードだけでした。
結局「これが」の意味はわからずじまいでした。
気になる点とは言っても作品の質にはまったく関係も影響もないところなので、全体的にかなりクオリティの高い作品だと思います。
ベリカや野いちごでラブファンタジーを書かれている方や好んで読まれている方には、ぜひオススメしたい作品です
市尾さん、これからもがんばってくださいね