2013年8月7日(水)

オリバー・ストーン監督の8月6日

鈴木
「広島に原爆が投下されてから68年。
昨日(6日)、平和記念式典が広島市で行われました。」




阿部
「そこに、アメリカの映画監督、オリバー・ストーン監督が初めて出席しました。
戦争や原爆を題材にした映画作品で知られるオリバー・ストーン監督は、何を感じたのでしょうか。」

オリバー・ストーン監督 8月6日に感じたことは

映画監督のオリバー・ストーンさん。
被爆者や遺族たちとともに平和記念式典に参列しました。

オリバー・ストーン監督
「興味深い朝だった。
公園に集まった人たちと同じように、私は原爆投下の瞬間を強く感じた。」

ストーン監督は去年(2012年)、日本に投下された原爆をテーマにしたドキュメンタリーを制作。
原爆投下の正当性に疑問を投げかけました。



ストーン監督は、原爆がもたらした被害の深刻さを自分の目で見て、耳で聞きたいと考えていました。
原爆資料館などを積極的に回ったストーン監督。



子どもが被爆したときに乗っていた三輪車。
被爆地に残る記録を目の当たりにする内、発展した今の街とのギャップが大きすぎると感じたといいます。




また、ストーン監督が希望したのが、被爆者と直接、話をすることです。
この日は13歳の時に被爆した、沢田昭二さんから話を聞きました。




沢田昭二さん
「その日は病気だったから、家で寝ていました。
気がついたら、つぶれた家の下敷きになって、何が起こったのか分からなかった。」


オリバー・ストーン監督
「私たちだけにしていただけますか。」

ストーン監督は沢田さんの話に集中したいと、カメラによる取材をやめるよう求めてきました。
このあと、投下直後の様子や、被爆者になった苦しみについて話を聞きました。

ストーン監督は、広島滞在で何を感じたのか?
広島放送局の番組に出演し、心境を語りました。





オリバー・ストーン監督
「被爆者の方々は大変すばらしかった。
怒りや報復ではなく、経験を忘れないように語り継ごうとしている。
生き残った者たちは記憶にとどめ、語っていく責任がある。
記憶は文明をつなぐ糸。
広島の歴史を繰り返してはいけない。」

犠牲者の霊を慰める灯ろう流し。
ストーン監督の灯籠には、“記憶の細い糸があるので文明は続いていく。
ヒロシマを決して忘れてはいけない。”
と書かれていました。


被爆から68年を経たヒロシマ。
オリバー・ストーン監督は、記憶の細い糸をつなぎ続ける決意を新たにしていました。




阿部
「“ヒロシマを決して忘れてはいけない”というメッセージもありましたが、監督の広島への理解、深まったようですね。」

鈴木
「監督は、長崎や沖縄も訪れる事にしています。」

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