福知山・屋台爆発:ドーン、火柱2回…逃げまどう人々
毎日新聞 2013年08月15日 23時29分(最終更新 08月16日 00時48分)
ドーン。灯籠(とうろう)流しとともに上がる花火を見ようと何万人もが集まった河川敷に突然、爆発音が起こり、火柱が上がった。京都府福知山市の花火大会で起きた屋台の爆発事故。次の瞬間、服に火が付き、地面に転げ回って消そうとする人も。お盆の花火会場を襲った突然の惨状に、観客は散り散りに逃げまどった。
現場近くにいた男性は「花火の打ち上げ開始の数分前、音無瀬(おとなせ)橋のすぐ近くに並んでいた屋台の方から突然、爆発音がして、火柱が2回上がった」と驚いた表情で話した。観客らによると、堤防下の河川敷で橋の近くに屋台が並んでいたという。
6人グループで見物に来ていた福知山市内の20代の男性は「最初に煙が上がり、誰かが『火事や!』と叫んだ。直後に、数メートルの火柱が上がった。爆発音は2回した」と話した。
左足に軽いやけどを負って、同市立福知山市民病院で治療を受けた会社員男性(27)は、屋台の裏で携行缶から気化したガソリンが爆発する瞬間を目撃したという。「屋台の男性がガソリンをつぎ足そうと携行缶のふたを開けた瞬間、プシュという音がして、気化したガソリンが携行缶から噴き出した。男性は携行缶を振り回していたが、1〜2秒して発火した。あわてて伏せて顔を上げると、屋台が黒く焦げ、火だるまになっている人が見えた。『爆発だ!』『逃げろ!』と悲鳴が上がった」と話した。
爆発直後、河川敷では、火だるまになった5、6人がのたうち回りながら、約20メートル先の由良川に向けて飛び出した。この中には子どももいたという。
目撃情報を総合すると、爆発音は2度起こり、周囲にいた人に火が燃え移り、周りの人が服を手などではたいたり、自分で地面に寝転がって火を消そうとしたりする人もいたという。
大会実行委メンバーである福知山商工会議所の男性スタッフ(49)によると、爆発は花火の打ち上げ開始直前に起きた。「あまりの惨状に午後8時過ぎに大会の中止を決めた」といい、「大会は72回を数えるが、こんな事態は初めて。負傷した人たちの容体が心配だ」と案じた。