【動画】自動倉庫の技術を応用した納骨堂=西畑志朗撮影 |
【奈良部健】遺骨の一時的な保管場所だった納骨堂で、「ハイテク化」が進んでいる。割安感にひかれて墓代わりにする人が都市部で増え、ニーズの多様化が進んでいるためだ。檀家(だんか)の減少に悩む寺院側も、これを好機と工夫を凝らす。
■5階建てビルに遺骨箱スペース7200
東京都品川区の住宅街に4日、5階建てのビルが完成した。約7200の遺骨箱を収納できる、目黒安養院の巨大納骨堂「ひかり陵苑」だ。
参拝者は受付でICカードをかざす。3階には、銀行の現金自動出入機(ATM)コーナーのように左右6基ずつ「参拝ブース」が並ぶ。指定されたブースの前に立つと、扉が自動で開く。部屋の墓石には故人の名前などが書かれ、裏側には故人の遺骨もある。受付からの所要時間は数分。
スピード墓参りを可能にしたのは、トヨタ自動車グループの豊田自動織機の技術。墓石の裏側に控えるのは、高さ約10メートルもの遺骨箱の棚。クレーンが当該者の遺骨箱を棚から取り出してベルトコンベヤーで搬送し、墓石に組み込む仕掛けだ。