Updated: Tokyo  2013/08/15 19:00  |  New York  2013/08/15 06:00  |  London  2013/08/15 11:00
 

債券上昇、法人税下げめぐる発言で株安・円高-超長期債には売り圧力

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  8月15日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。法人実効税率の引き下げに否定的な要人発言が相次いだことを受けて株価が下落し、外国為替市場で円高基調となったことが買い手掛かり。来週に40年債入札、再来週に20年債入札を控えた売りを背景に超長期債は安い。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比13銭高の144円07銭で開始し、午前の終了前に9銭高の144円03銭まで伸び悩んだ。午後に入ると株安・円高を背景に水準を切り上げ、一時は144円15銭まで上昇したが、取引終了にかけて上値が重くなり、結局は144円03銭で引けた。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、法人税減税が簡単に決まるとはみていなかったため債券へのインパクトは限定的としながらも、「反応した株安や円高が相場を支えている」と指摘。「消費増税が決まれば法人税減税も検討される可能性があり、むしろ消費増税に向けた流れができつつあるのではないか」とも話した。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同1.5ベーシスポイント(bp)低下の0.735%で開始。13日に付けた3カ月ぶり低水準の0.73%に接近した。いったんは0.745%まで低下幅を縮めたが、午後の取引開始後に再び0.735%に低下。午後1時半すぎからは0.74%で推移している。5年物の113回債利回りは0.5bp低い0.275%に低下した。

超長期債は安い。20年物の145回債利回りは2bp高い1.68%、30年物の39回債利回りは2bp高い1.80%と、ともに9日以来の高水準。松川氏は、利回りは全体的にスティープ(傾斜)化していると指摘。ただ、「超長期債の売りに押されて上げ幅が鈍っているが、10年セクターは需給が締まっており、0.7%台前半でも意外に売られにくい。20日の40年債入札までに国債オペが実施される可能性もあり、5-10年を売っていく動きは見られない」と分析した。

菅義偉官房長官は15日、安倍晋三首相が法人実効税率の引き下げ検討を指示したとの報道について「首相がそのような指示をした事実はない」と述べた。麻生太郎財務相もこの日の閣議後の会見で、法人実効税率の引き下げに重ねて慎重な姿勢を示した。

この日の東京株式相場は大幅反落。TOPIX は前日比1.7%安の1151.82で引けた。東京外国為替市場で円は対ドルで上昇し、1ドル=97円台後半で取引されている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 船曳三郎 sfunabiki@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/08/15 15:45 JST

 
 
 
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