終戦記念日に、思い出す。七年前の自民総裁候補の討論会。谷垣禎一氏が、日中国交正常化の際、中国が日本の戦争指導者と国民を分ける「二分論」で、賠償請求を放棄したとの歴史に言及した。
安倍晋三氏は「文書は残っていない。中国の理解かもしれぬが、日本側は皆が理解していることではない」と反論。中国指導者が二分論で、自国民を納得させようとした歴史の重みを切り捨てた。
首相の靖国参拝はなかった。だが、いつも「中韓の反発に屈するな」との意見が出るのは歴史に目を閉ざすからか。侵略に「痛切な反省」を示した村山談話。政権が代われども重みは変わらない。
この記事を印刷する