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瀬戸内国際芸術祭

help RSS 昨日の続きと補足+自慢話だな

<<   作成日時 : 2007/07/01 05:11   >>

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また、半分寝ぼけて書いた・・・_| ̄|○

ええと、訂正から国産肉F-5『国産牛肉A-5』・・・国産牛肉のランクでAが最上級の「歩留等級」で次にBそしてCと下がり、これに「肉質等級」の1〜5までを割り振られる。
5が最上級で4・3・2・1と下がる。ここを参照
つまり、最高がA-5で一番下がC-1と15通りのランクが付く・・・と

まぁ、「A-5」なんて肉は塩と胡椒を軽くふって、わさび醤油で食べると、それだけで相当美味しいもんだが、これを自分の腕や技量と勘違いしてる料理人が居る!と言う事。テレビで、「うちの店では最高ランクの『A-5』の肉で・・・映像を見ると・・・「刺身」である。 見事に「サシ」の入った「刺身」綺麗に盛り付けてある。

画像

No12のような肉質・・・

この人・・生のサシの入った牛肉食ったことあるの?と疑ったよ。 はっきり言って「食えない」
口の中に蝋が絡まったようになって、暑いスープでも飲まないと嚥下出来ない。この場合ベストなのはNo2か3がいいんじゃないかな? なんでもかんでも「脂信仰」の強い日本人ならではの発想だし、マグロの大トロと一緒にしてる。

まぁ、オレも大して偉そうに言えないが、料理人のハシクレだから、こんな初歩的な間違い平気でテレビに出て 自分の店の宣伝出来てしまうから恐れ入る。

次に出てきた料理は・・・店主「鴨のフォアグラです。通常フォアグラはガチョウの肝臓ですが本日は鴨を使いました。」
ん!・・・「Foie gras」は「脂肪肝」の総称だったような・・「柴田書店仏和料理辞典」で探すと
『Foie』は肝臓。『Gras』は太った・肥大した と。『ガチョウでも鴨でも両方指す』この場合わざはざ「通常はガチョウの肝臓ですが」と強調しなくても別にいいような気がするのだが・・なんで?

この店に文句付ける気はさらさら無いが、素晴らしい食材を手に入れる事が出来るのに、なんか全く感動というものは感じられなかった。「うちは高級食材を使い、普段家庭で食べる事の出来ない料理を出させていただいてます」みたいな・・・押し売りかい(笑)

普段、誰でも安く、手に入る食材でプロならではの技術を駆使し、絶妙の味加減・火加減で、家庭では出せない味や演出し、かつ、気の遠くなるほどの下ごしらえして、さりげなくお客さんに出す。 上に書いたコースでおよそ1万円ほどだったが、材料費だけのような気がして逆に安く感じた。 

昨日のブログに皇族関係の方が来た事を書いたが、その時のオレの仕事だが、正直に真面目に書くと、2週にわたって「秋篠宮様」と「天皇陛下」に昼食の後のデザートを出す(フルーツ担当)と、宮内庁関係者150名の昼食(魚担当)だった。フルーツはオレ一人で、こなした。ってか、あまり複数の人間にやらせたくないとの宮内庁側の旨で、3人の白衣の人に監視されながらフルーツを切った。 
そんで150人の魚料理はさすがにオレ一人ではキツいから、ホテルグループからヘルプに来てもらった(オレよりキャリアあるベテランで年上)のコックばかりで10人以上で僭越ながら指揮させてもらって、完成した。・・・オレが若くても、年配の先輩たちが言う事を聞いてくれたのは、オレの職場だし、この料理の仕込みは実は一週間以上前からオレ一人でしてたのと、最初にこのメニュー、食材を提案したのがオレだから「アイツの好きにさせてやってくれ」との チーフがヘルプの人たちに言い含めていたから・・・後で知ったケド。

『サーモンのパイ包み』
これが、150人のお客さんの前に並べらる料理。

ノルウェー産のサーモンを丸ごと空輸し、アタマと骨はソースをとる。 三枚に卸した身はマイナス2度のチルド状態。
サーモンの身と身の間に詰め物するんだけど、「生姜、バジル、にんにく、たまねぎ」これはスライスして・・・それともう一つ最大の難関。『セロリアック』かぼちゃより入りこんだ凹凸とカリフラワーをお化けにしたような複雑な繊維。これの皮を剥いて繊維に沿ってスライス(1ミリほど)してジュリエンヌ(糸切り)にして、生姜、バジル、にんにく、たまねぎ、と一緒にバターでスエ(汗をかかせるように軽く炒める)し、身の間に挟みこみパイ生地で包み180度のオーブンで焼く。 書けば簡単だが、このパイ生地も作った。サーモンって軽く10尾以上あって・・・10キロ以上の薄力粉を使い、大理石の板の上で麺棒駆使しながらタマゴとバター織り込んで丁寧に伸ばして作るパイ生地・・・昼間だと、温度が上がって生地がダレてしまうから3日かけて深夜遅く厨房内に冷房かけて凍えながら一人で練った。

サーモンを生地で包むのは前の日、慣れない作業だし朝は6時半からレストランでのモーニング(高松空港の始発は7時35分だから、7時の開店時間を待たずにお客さんが入ってくる。もちろんキャビンアテンダントもいた。)それをこなして、昼のタイムランチが2時まで続き、一息つくのが3時前・・・5時から夜のディナーだし、BANQUET(宴会・パーティー)が入っていてメインダイニングに回り11時過ぎまで・・それからサーモンを包みだし、終わったのが2時過ぎだったかな?ホテル近くのアパートに戻りコックコートのままベッドに倒れこんだ。・・・・ナイト(夜間のフロント係)に 4時に電話かけて起こしてもらうように頼んでいたので、モーニングコールで、またホテル直行!僅か800メートルの距離なのに、検問受ける事2回。 ID社員証かざしてもちろん誰も居ない厨房に入り、モーニングで出すクロワッサンをほうばる。思えば昨日の朝食以来何も食べてなかった。・・・

そして・・・本番。

気が付きゃ、ホテルのロビーで、天皇陛下をお見送りしてた。 

「ごちそう様でした、大変お世話になりました」
そう言ってオレの前でお辞儀してくれた陛下の姿って・・フツーのおじさんだったよ。
もっとも、デザートしか切ってないが・・(笑)

その日の夕方支配人から呼び出されて、「ウケたよ! キミの作ったサーモンのパイ包み。古典的で、オーソドックスで何の主張も無い 基本に忠実な出来だった・・と宮内庁の方から絶賛だった・・・」と、  褒められてタバコを1箱貰った。

                

菊の紋章の入ったタバコ・・・

支配人の部屋から厨房に戻る通路で封を切って思いっきり吸った・・・


相手が誰であろうが、全身全霊込めて作る料理って、技術以上に大事なモノあるんじゃないか? オレがいくら大変な思いしても、また、手を抜いても気付かれなければただ、それだけ・・でも、どうせ作るなら、全身全霊込めたほうが自分に嘘はつかないな。

大した技術も、知識も無いオレだが、昨今のテレビでもてはやされてる有名店とされてる店主さんって、こんな感動、(皇族に料理出した事が素晴らしいんじゃ無く、これがオレのきっかけの話だからね)とか、充実感ってあるんだろうか?ただ、高価な素材を使うことで自分の技術とか、才能とかとごっちゃにしてはないだろうか? 

もう一度、「ぼんちゃん」時代の自分の姿を思い出してほしい。

先日・・「ライス」のオーダー来たからご飯を茶碗に盛ってゴマかけて・・・・

画像


ゴマ入れたビンの中蓋が取れてて・・・・

こんな事もする!!

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
む!
いい話だ!
魚料理のヘルプの話の部分は、特にいい話だよ!
イナダ
2007/07/02 00:03

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