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「デフレ状況でなくなりつつある」 8月の月例報告
景気の総括判断は据え置き

2013/8/15 10:54
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 政府は15日公表した8月の月例経済報告で、物価の基調判断を「デフレ状況ではなくなりつつある」とし、7月よりも脱デフレの動きが進んでいるとの認識を示した。エネルギーを除く消費者物価指数(CPI)が前月比で横ばい圏で推移するようになり、物価の持続的な下落が止まりつつあると分析した。一方、景気の基調を表す総括判断は前月から据え置いた。

 甘利明経済財政・再生相が同日の関係閣僚会議に提出した。前月の月例報告は「デフレ状況は緩和しつつある」としていたが、生鮮食品を除くCPIは6月に前年同月比で1年2カ月ぶりに上昇した。

 内閣府はエネルギー価格上昇などの影響を差し引いた指数を独自に算出。同指数が前月比で5カ月連続横ばい圏となっており、物価の基調判断を「デフレ状況ではなくなりつつある」に修正した。

 ただ、政府が目指すデフレ脱却への道筋はまだ不透明だ。食料やエネルギーを除いたベース(コアコア)のCPIは、前年同月比で見ると0.2%下落している。

 足元の物価上昇は電気代やガソリン代などのエネルギー価格や、円安を起点とした輸入物価の上昇がけん引した。物価上昇が消費を冷やす面もあり、内閣府はデフレの文言を月例報告から削除するには「再びデフレ状況に戻らないか見極める必要がある」としている。

 政府は2001年3月に戦後初めてデフレと認定したが、02年以降に景気回復局面に入り06年7月に月例報告からデフレの文言を削除した。しかし、08年のリーマン・ショック後に、国内経済が落ち込んで物価の下落が目立つようになったことから、09年11月の月例報告で再び「緩やかなデフレ状況にある」と認定した。その後は物価の判断にデフレという表現を使い続けている。

 景気の基調判断については「着実に持ちなおしており、自律的回復に向けた動きもみられる」との判断を据え置いた。雇用については「改善している」とし、「厳しさが残る」との表現を外したものの、生産や設備投資、消費など景気の基調を見極める項目は前月から変更がなかったためだ。

 先行きについても「景気回復へ向かうことが期待される」との表現を踏襲した。今後の焦点は収益改善が進んできた企業が、設備投資をどこまで増やすかだ。4~6月期国内総生産(GDP)速報値では企業の設備投資は0.1%減と6四半期連続のマイナスとなった。中国など海外経済の下振れも、景気を下押しするリスクになる。

 政府は秋までの各種経済統計を基に、来年4月に消費税率を引き上げるか判断する。増税をにらんだ駆け込み需要もあって足元の景気は回復基調だが、来年の消費税引き上げ以降は、一時的に景気が冷え込む懸念がある。物価の緩やかな上昇が景気の回復と連動しなければ「脱デフレ宣言」には踏み込みにくい情勢だ。

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CPI、甘利明、エネルギー、デフレ状況


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