半沢直樹さん、「倍返し」している暇があるなら、会社辞めて起業すればいいのに

2013/08/11


昨日は京都に出張。Amazonで1位になっていた「オレたちバブル入行組」シリーズを2作読みました。いやー、面白い。これ今ドラマになっているんですね。


会社辞めればいいのに

「オレたちバブル入行組」は、バブルの絶頂、1988年に入行した若者と金融機関のドロドロを題材にした物語。

半沢直樹さんは融資担当課長として、私利私欲にまみれた上司にミスをなすりつけらるという、実に理不尽な状況に追い込まれます。相次ぐ裏切りやコンプライアンス違反に、半沢さんは頻繁に怒りで体を震わせています笑

それでも彼は、焦げ付いた融資を回収するために奔走します。ときには「オレは薄汚れた金貸しだ」という自己嫌悪にも浸りますが、半沢は見事に勧善懲悪を果たします。ここら辺を詳しく語るのもアレなので、ぜひぜひ手に取って読んでみてください。惹き込まれますよ。


で、無粋なことを申し上げているのは承知ですが、主人公の半沢直樹さん、さっさと会社辞めればいいのに…と何度思ったことかわかりません。

あんた、どれだけ会社に人生を捧げているんだと。半沢さん、休日も会社のこと考えてますよねこれ。少なくとも劇中では、仕事から解放される瞬間が皆無です。

恐らく、それほど給料もよくないでしょう。当時の行員の給料は詳しくないですが、せいぜい課長クラスで1,000万円くらいでしょうか?外資系金融よろしく、年収2,000〜3,000万円くらい貰わないと耐えられないですよ、あの環境は…。


今の時代に半沢さんが、同じ環境で仕事をしていたら、さっさと会社を辞めて、優秀な動機たちと金融系のベンチャーでも興すのでしょう。

問題意識的に、エクイティ型のクラウドファンディングなんか興味を持ちそう。「これからは腐った銀行に金を借りる時代じゃない、市民の共感をお金にする時代なんだ!」とか。


そもそも半沢の信念である「やられたら倍返し!」というのも、なんだか後ろ向きですよね。復讐なんかしている暇があったら、何か新しい価値を生み出せばいいのに。

「クソ上司」がいるような職場からは、さっさと逃げ出せばもっと人生楽しくなりますよ、と。

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小説を読んでいて、そんな無粋なことを思ってしまいました。まぁ、会社辞めたら物語にならないですからね笑 昔はそういう時代だったんだなぁ、と、新鮮な感慨に浸ることができました。


うちはテレビがないのでドラマ版は視聴していないのですが、何だかものすごいウケているようですね。視聴率30%超えたとか

ヒットの理由については、

「2013年現在も、いまだに企業内の理不尽な論理に閉じ込められている人が多く、ストレスを感じた彼らが『倍返し』というかたちの勧善懲悪を求めている。半沢直樹による『代理復讐』ともいえるだろう。ノマド的な流動性はまだ社会に浸透していないのであーる」

とか考察できそうですが、原作を読むかぎり、単純にエンターテイメントとして超一級であるがゆえに、ヒットしているだけのような気もします。ドラマ版は俳優も有名な方が多数出ているようですし。まぁ、ぼくは観ていないのでなんともいえません。


というわけで、すばらしいエンタメ作品ですので夏休みにぜひ。Kindleでも買えます。時間を忘れて読みふけってしまいますよ。

なお、ドラマ版のあらすじを見るかぎり、原作とはキャラの扱いや本筋の流れがだいぶ違うようなので、両方独立して楽しめそうな感じです。もしかしたら、原作とドラマ版では黒幕も違うのかも…?


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