【NQNニューヨーク=川内資子】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反落し、前日比113ドル35セント(0.7%)安の1万5337ドル66セントと7月10日以来、約1カ月ぶりの安値で終えた。夏季休暇を取る市場関係者が多いなか、目先の利益を確定する目的の売りが優勢となった。
米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和策を早期に縮小するとの観測が根強い。実現すれば、株式市場から投資資金が流出するとの見方も引き続き相場の重荷となった。
百貨店大手のメーシーズが四半期決算発表と同時に、2014年1月期通期の業績見通しを下方修正した。9月の米新学期に向けた商戦が盛り上がらないとの連想を誘った。米実質国内総生産(GDP)の約7割を占める米個人消費の動向を巡る警戒感がやや強まり、投資家心理を冷やしたとの指摘もあった。
夏季休暇シーズンで取引量が少なく、値動きが大きくなりやすいとの指摘があった。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比15.17ポイント(0.4%)安の3669.27で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全10種のうち「IT(情報技術)」を除く9種が下落。「一般消費財・サービス」や「ヘルスケア」などの下げが目立った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約6億2000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約15億6000万株だった。
メーシーズは大幅に下落。ノードストロームなど同業の小売株が全般に軟調だった。増益決算と同時に発表した8~10月期の機器販売の見通しが慎重と受け止められた農業機械のディアは下落。貨物機の墜落が伝わった物流のUPSは小安い。
一方、アップルが上げ、一時は約6カ月半ぶりに節目の500ドル台を回復した。著名投資家が同社株を大量取得したと前日に明らかにしたことが引き続き買いを誘った。銀行のバンク・オブ・アメリカやITのマイクロソフトも上昇した。
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