Updated: Tokyo  2013/08/15 07:49  |  New York  2013/08/14 18:49  |  London  2013/08/14 23:49
 

8月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:スイス・フラン下落-ユーロ圏経済拡大で安全需要後退

ニューヨーク外国為替市場ではスイス・フランがユーロに対し1カ月ぶり安値に下落。ユーロ圏経済が4-6月(第2四半期)に前期比で拡大し、リセッション(景気後退)から脱却したことで、フランに対する安全需要が後退した。

ブルームバーグ米ドル指数は1週間ぶり高水準から低下。7月の米生産者物価指数(PPI)は予想外に前月比ほぼ変わらずとなった。フランは主要16通貨の大半に対して値下がり。ドイツとフランスの国内総生産(GDP)もアナリスト予想を上回った。ポンドは対ユーロで4営業日続伸。英国の7月の失業保険申請件数がエコノミストの予想以上に減少したことを受けた。ニュージーランド(NZ)ドルはここ1週間で最大の値上がり。小売売上高の増加に反応した。

英銀スタンダード・チャータード(ニューヨーク)のシニア通貨ストラテジスト、マイク・モラン氏は「ユーロ・フラン相場の動きは、欧州のファンダメンタルズの小幅な改善を示すものの一つだ」とし、「これまで安定性を求めフラン建て資産に投じていた外国の預金者が、そうした資産を一部減らし始めている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、フランは対ユーロで前日比0.2%安の1ユーロ=1.23995フラン。一時1.24269フランと、7月11日以来の安値を付けた。対ドルでは4営業日続落で、前日比0.3%安の1ドル=0.9355フランとなった。

ユーロはドルに対して0.1%安の1ユーロ=1.3255ドル。対円では130円08銭に下げた。円は対ドルで0.1%上昇し1ドル=98円14銭。

NZドル

NZドルは主要31通貨に対して上昇。4-6月期のコアベースでの小売売上高が大きく増加し、中央銀行が利上げに動くとの観測が強まった。NZドルは対米ドルで0.8%上げて1NZドル=0.8028米ドル。

外為オプションの店頭取引では、対円でのドルのオプション出来高は37億ドルで、シェアは15%と最大。対ドルでのユーロのオプション出来高は32億ドルで、シェアは13%。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が14日発表した4-6月の域内総生産(GDP )速報値は前期比0.3%増加。ドイツのGDPは0.7%増と、伸びはエコノミスト予想(0.6%増)を上回った。またフランスは0.5%増。フランスは前の2四半期、マイナス成長だった。

フラン見通し

ソシエテ・ジェネラルはユーロ・フラン相場について、2014年半ばまでの目標水準を1ユーロ=1.35フランとし、フラン売りを勧めている。

ダンスケ銀行のシニア為替ストラテジスト、カスパー・キルケゴール氏は「フラン下落のバイアスがかかっていることは間違いない」と述べた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数によると、フランは過去1週間に1.4%下落と、10通貨中で最悪のパフォーマンスとなっている。ユーロは0.6%下げ、ドルは0.4%上げた。

ポンドは主要16通貨中15通貨に対して上昇。英政府統計局(ONS)が14日発表した国際労働機関(ILO)基準の4-6月期の失業率は7.8%と、3-5月から変わらずだった。

ポンドは対ユーロで0.4%高の1ユーロ=85.51ペンス。対ドルでは0.3%上げて1ポンド=1.5500ドル。

原題:Swiss Franc Weakens as Euro-Area Economy Expands; PoundRises(抜粋)

◎米国株:下落、金融当局の縮小観測強まる-欧州統計も材料に

14日の米国株は下落。欧州で発表された統計が世界的な景気拡大を示すさらなる兆候だと受け止められ、米金融当局が9月に緩和策を縮小するとの観測が高まった。

百貨店メーシーズは4.5%下落。同社の四半期売上高がアナリスト予想を下回り、利益予想を引き下げたことが嫌気された。住宅建設株や公益事業株が下落。債券利回りの上昇が影響した。一方、アップルは1.8%上昇。著名投資家カール・アイカーン氏が前日、同社株の保有を明らかにしたことがこの日も買い材料となった。

S&P500種株価指数 は前日比0.5%安の1685.39で終了。ダウ工業株30種平均は113.35ドル(0.7%)下げて15337.66ドル。

ING米国インベストメント・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、ダグラス・コート氏は電話インタビューで、「市場の関心は当局による9月の緩和縮小に集中している」と述べ、「量的緩和によって金融システムにはある程度の行き過ぎが生じた。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は任期満了の際、次のバブルの責任を負うようなことだけはしたくないはずだ」と続けた。

緩和策縮小の見通し

ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査によると、9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で月間850億ドルの債券購入の縮小が決定される確率は65%となっている。前月は50%の確率だった。

7月の米生産者物価はほぼ変わらず。自動車がここ4年で最大の値下がりとなった。米労働省によると、生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比横ばい。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.3%上昇だった。前月は0.8%上昇。

ユーロ圏経済は2013年4-6月(第2四半期)に前期比で拡大し過去最長のリセッション(景気後退)から脱却した。ドイツとフランスがけん引役となった。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)によると、4-6月の域内総生産(GDP )速報値は前期比0.3%増加。1-3月(第1四半期)GDPは前期比0.3%減(改定前=0.2%減)だった。

セントルイス連銀のブラード総裁は、政策当局者らは経済予測のみに基づいて政策を変更することには慎重になるべきだと指摘した。当局の経済予測は過度に楽観的になることが過去に示されていると説明した。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は5.9%上昇の13.04。VIXは6月に年初来のピークをつけて以来、36%低下している。

9指数が下落

S&P500種産業別10指数 のうち9指数が下落。特にヘルスケア関連株や消費者サービス株が下げた。住宅関連用品小売りのホーム・デポは2.5%安。

航空機メーカー、ボーイングは2%下落。ANAホールディング傘下の全日本空輸が14日、保有するB787のうち3機でエンジン用消火器の配線接続部分の不具合を発見したことが嫌気された。

S&P住宅建設株価指数 は1.8%下落。米国債利回りが年初来の最高に迫り、金利上昇が住宅回復の足を引っ張るとの懸念が強まった。構成する11銘柄のうち10銘柄が値下がりした。パルトグループは1.7%値下がりした。

原題:U.S. Stocks Fall as Economists Predict Fed Will ReduceStimulus(抜粋)

◎米国債:利回りは今年最高水準に接近、9月の緩和縮小観測広がる

米国債市場では利回りが年初来の最高水準に接近した。エコノミストの過半数は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で債券購入プログラムの縮小が決定すると予想している。

7月の米生産者物価指数(PPI)は前月比変わらず。米金融当局が前例のない規模の流動性を供給しているにもかかわらず、インフレが引き続き抑制されていることが示された。統計を受けての米国債相場の動きは方向感を欠いた。今月9-13日にブルームバーグがエコノミスト48人を対象にまとめた調査では、債券購入プログラムの最初の縮小は小幅になる見通しが示された。予想中央値では月間100億ドル減額して750億ドルとすると見込まれている。また、エコノミストは米金融当局が2014年半ばまでに債券購入を終了すると予想した。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「9月に縮小が始まりそうだ」と語る。「実際にはマーケットが縮小を主導するのかもしれない。債券投資家が神経過敏になっているため、これまでより強いデータが出れば利回りは上昇するだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時31分現在、10年債利回り は1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.71%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は2/32上昇して98 5/32。

10年債利回りは7月8日に2.75%に達し、2011年8月1日以来の高水準を記録した。

「過度に楽観的」

米セントルイス連銀のブラード総裁は、政策当局者らは経済予測のみに基づいて政策を変更することには慎重になるべきだと指摘した。当局の経済予測は過度に楽観的になることが過去に示されていると説明した。

総裁はケンタッキー州で講演。事前に用意されたスライドによれば、連邦公開市場委員会(FOMC)の予測は「ここ数年、過度に楽観的になる傾向が出ている」とし、「この経験を踏まえると、予測のみに基づいて政策行動を取ることには当然慎重になるべきだと考える」と続けた。

6月19日に米連邦準備制度理事会(FRB)が発表したFOMCの経済予測では、今年の経済成長率が2.3-2.6%、2014年が3-3.5%となっている。2015年の予想は2.9-3.6%に集中していた。

これに対してブルームバーグがまとめたエコノミスト89人の調査では、今年の成長率の予想中央値は1.6%、14年が2.7%となっている。

物価指数

米労働省がこの日発表した7月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比横ばい。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.3%上昇だった。前月は0.8%上昇。食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%上昇で、伸びは市場予想(0.2%上昇)を下回った。

15日には7月の消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、前年同月比2%上昇し、6月の同1.8%上昇から加速すると予想されている。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が14日発表した4-6月の域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト41人の予想中央値は0.2%増だった。前年同期比では0.7%減少。1-3月(第1四半期)GDPは前期比0.3%減(改定前=0.2%減)だった。

原題:Treasury Yields Approach Year-High as Tapering Seen NextMonth(抜粋)

◎NY金:反発、ドル下落で代替投資の買い-中国の需要増観測も支え

ニューヨーク金先物相場は反発。過去6営業日では5日目の上昇。ドルの下落を背景に、代替投資としての金買いが優勢になった。中国での金需要が拡大するとの観測も買いにつながった。同国は金輸入で世界2位。

主要10通貨に対するブルームバーグ・ドル指数 は3営業日ぶりに下落。中国黄金協会(CGA)が12日発表した同国内の今年1-6月の金消費量は前年同期比54%増加の706.4トンだった。延べ棒の需要が87%、宝飾品は44%それぞれ増えた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「ドルの弱さが金の支えになっている」と指摘。「市場参加者は中国経済の改善に伴い同国の金需要が伸びるとみている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比1%高の1オンス=1333.40ドルで終了した。

原題:Gold Rises for Fifth Time in Six Sessions as DollarDeclines(抜粋)

◎NY原油:ほぼ変わらず、在庫減少も緩和縮小観測が圧迫

ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。米原油在庫が予想以上に減少したものの、金融緩和縮小をめぐる憶測がこれを打ち消した。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した統計によると、先週の原油在庫は281万バレル減少した。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査では、150万バレルの減少が見込まれていた。エコノミストの65%は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で月間850億ドル(約8兆3500億円)の債券購入策の縮小が決定されると予想している。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は「EIAの統計は原油価格にはプラスだった。在庫減少は予想より大きかった」と指摘。「FOMCを前に原油価格は圧迫されている。緩和縮小に対する懸念は市場で増幅されているかもしれない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比2セント(0.02%)高の1バレル=106.85ドルで終了した。

原題:Crude Little Changed on Drop in Stockpiles Amid FedSpeculation(抜粋)

◎欧州株:5日続伸、ユーロ圏がリセッション脱却-サブシー7に買い

14日の欧州株式 相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は5営業日続伸で、12週間ぶり高値を付けた。ユーロ圏が4-6月(第2四半期)に過去最長のリセッション(景気後退)から脱却したことが手掛かり。

オフショア油田サービス会社サブシー7は約3年ぶり大幅高となった。四半期の赤字幅が予想ほど大きくなかったことが買い材料。害虫駆除管理の英レントキル ・イニシャルは約2年ぶり高値を付けた。上期の増収増益が好感された。一方、ドイツの電力会社RWEは4.5%下落。決算で利益がアナリスト予想に届かなかった。

ストックス欧州600指数 は前日比0.3%高の308.62で終了。年初来安値を付けた6月24日以来では12%上げている。

PFAペンション(コペンハーゲン)のシニアストラテジスト、ウィトルド・バーク氏は電子メールで、「欧州は成長の兆しを見せており、大方の予想より早くリセッションを抜け出している」と指摘。「さらに多くの指標が向こう数四半期の成長再加速を示唆しており、これは大変な朗報だ。秋以降に向かい風が吹く可能性が高い中で、ユーロ圏のリスクバランスを良くするためにはプラス成長の領域に再び入ることが不可欠だ」と付け加えた。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表したユーロ圏の4-6月域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト41人の予想中央値は0.2%増だった。

14日の西欧市場では18カ国中12カ国で主要株価指数が上昇。英FTSE指数は0.4%下げた一方、独DAX指数は0.3%、仏CAC40指数は0.5%それぞれ上げた。

原題:Europe Stocks Climb to 12-Week High as EuroArea Exits Recession(抜粋)

◎欧州債:周辺国債が上昇、GDP統計に反応-ドイツ債ほぼ変わらず

14日の欧州債市場では、スペインとイタリアの国債が上昇した。ユーロ圏が4-6月(第2四半期)に過去最長のリセッション(景気後退)から脱却したことを背景に、域内の高利回り債を求める動きが強まった。

スペイン10年債 利回りは4週間ぶりの大幅低下となり、5月以来の低水準となった。ドイツとフランスの4-6月成長率もアナリスト予想を上回ったことから、債務危機が和らいでいる兆候が強まった。ポルトガル10年債 は3日続伸。一方、ドイツ国債はほぼ変わらず。32億3000万ユーロ相当の10年債入札で、借り入れコストが2012年2月以来の高水準に達した。

INGグループの先進国市場債券責任者、パドライク・ガービー氏(アムステルダム在勤)は「最近の予想を上回る経済データが相場を支えている」とし、「このトレンドは極めて堅調だ。周辺国債が大きく買われている」と語った。

ロンドン時間午後4時42分現在、スペイン10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.42%。一時は4.41%と、5月31日以来の低水準となった。同国債(表面利率4.4%、2023年10月償還)価格はこの日、0.595上げ99.855。

イタリア10年債利回りは5bp低下の4.18%。前日には4.15%まで下げ、6月6日以来の最低を付けた。同年限のポルトガル国債 利回りは3bp下げて6.50%。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した4-6月の域内総生産(GDP )速報値は前期比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト41人の予想中央値は0.2%増だった。

既発のドイツ10年債利回りは1.81%。一時は1.84%まで上げ、6月24日以来の高水準となった。

ドイツが実施した10年債入札で、平均落札利回りは1.80%と、12年2月29日以来の高水準となった。前回入札の7月17日時点は1.57%だった。

英国債相場は下落。10年債利回り は前日比3bp上昇し2.63%。一時は2.66%と、11年10月28日以来の高水準となった。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.25下げ92.94。

この日発表された雇用統計で失業保険申請ベースの7月の失業者数の減少幅がアナリスト予想を超えたことから、英景気の回復兆候が強まった。

原題:Spanish Bonds Rise With Italy’s on Euro-Area Growth; Bunds Drop(抜粋)Pound Gains for 4th Day Versus Euro asUnemployment Claims Drop(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク 楽山 麻理子 + 1-212-617-4903mrakuyama@bloomberg.net;ニューヨーク 西前 明子 +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

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更新日時: 2013/08/15 06:55 JST

 
 
 
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