Updated: Tokyo  2013/08/15 07:42  |  New York  2013/08/14 18:42  |  London  2013/08/14 23:42
 

8月14日の米国マーケットサマリー:株は下落、9月緩和縮小の観測

Share Google チェック

  8月14日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)


為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3259   1.3263
ドル/円             98.11    98.20
ユーロ/円          130.08   130.25


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       15,337.58     -113.43    -.7%
S&P500種           1,685.37      -8.79     -.5%
ナスダック総合指数    3,669.27     -15.17     -.4%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .33%        .00
米国債10年物     2.71%       -.01
米国債30年物     3.75%       -.01


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,333.40    +12.90    +.98%
原油先物         (ドル/バレル)  106.92      +.09     +.08%

◎NY外為市場

ニューヨーク外国為替市場ではスイス・フランがユーロに対し1カ月ぶり安値に下落。ユーロ圏経済が4-6月(第2四半期)に前期比で拡大し、リセッション(景気後退)から脱却したことで、フランに対する安全需要が後退した。

ブルームバーグ米ドル指数は1週間ぶり高水準から低下。7月の米生産者物価指数(PPI)は予想外に前月比ほぼ変わらずとなった。フランは主要16通貨の大半に対して値下がり。ドイツとフランスの国内総生産(GDP)もアナリスト予想を上回った。ポンドは対ユーロで4営業日続伸。英国の7月の失業保険申請件数がエコノミストの予想以上に減少したことを受けた。ニュージーランド(NZ)ドルはここ1週間で最大の値上がり。小売売上高の増加に反応した。

英銀スタンダード・チャータード(ニューヨーク)のシニア通貨ストラテジスト、マイク・モラン氏は「ユーロ・フラン相場の動きは、欧州のファンダメンタルズの小幅な改善を示すものの一つだ」とし、「これまで安定性を求めフラン建て資産に投じていた外国の預金者が、そうした資産を一部減らし始めている」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時半現在、フランは対ユーロで前日比0.2%安の1ユーロ=1.24021フラン。一時1.24269フランと、7月11日以来の安値を付けた。対ドルでは4営業日続落で、前日比0.2%安の1ドル=0.9350フランとなった。

ユーロはドルに対してほぼ変わらずの1ユーロ=1.3256ドル。対円では0.1%下げて130円07銭。円は対ドルで0.1%上昇し1ドル=98円11銭。

◎米国株式市場

14日の米国株は下落。欧州で発表された統計が世界的な景気拡大を示すさらなる兆候だと受け止められ、米金融当局が年内に緩和策を縮小するとの観測が高まった。

午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数 は前日比0.5%安の1685.39で終了。ダウ工業株30種平均は113.35ドル(0.7%)下げて15337.66ドル。

ING米国インベストメント・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、ダグラス・コート氏は電話インタビューで、「市場の関心は当局による9月の緩和縮小に集中している」と述べ、「量的緩和によって金融システムにはある程度の行き過ぎが生じた。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は任期満了の際、次のバブルの責任を負うようなことだけはしたくないはずだ」と続けた。

ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査によると、9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で月間850億ドルの債券購入の縮小が決定される確率は65%となっている。

◎米国債市場

米国債市場では利回りが年初来の最高水準に接近した。エコノミストの過半数は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で債券購入プログラムの縮小が決定すると予想している。

7月の米生産者物価指数(PPI)は前月比変わらず。米金融当局が前例のない規模の流動性を供給しているにもかかわらず、インフレが引き続き抑制されていることが示された。今月9-13日にブルームバーグがエコノミスト48人を対象にまとめた調査では、債券購入プログラムの最初の縮小は小幅になる見通しが示された。予想中央値では月間100億ドル減額して750億ドルとすると見込まれている。また、エコノミストは米金融当局が2014年半ばまでに債券購入を終了すると予想した。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「9月に縮小が始まりそうだ」と語る。「実際にはマーケットが縮小を主導するのかもしれない。債券投資家が神経過敏になっているため、これまでより強いデータが出れば利回りは上昇するだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後3時現在、10年債利回り は1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.71%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は2/32上昇して98 5/32。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。過去6営業日では5日目の上昇。ドルの下落を背景に、代替投資としての金買いが優勢になった。中国での金需要が拡大するとの観測も買いにつながった。同国は金輸入で世界2位。

主要10通貨に対するブルームバーグ・ドル指数 は3営業日ぶりに下落。中国黄金協会(CGA)が12日発表した同国内の今年1-6月の金消費量は前年同期比54%増加の706.4トンだった。延べ棒の需要が87%、宝飾品は44%それぞれ増えた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「ドルの弱さが金の支えになっている」と指摘。「市場参加者は中国経済の改善に伴い同国の金需要が伸びるとみている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比1%高の1オンス=1333.40ドルで終了した。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。米原油在庫が予想以上に減少したものの、金融緩和縮小をめぐる憶測がこれを打ち消した。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した統計によると、先週の原油在庫は281万バレル減少した。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査では、150万バレルの減少が見込まれていた。エコノミストの65%は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で月間850億ドル(約8兆3500億円)の債券購入策の縮小が決定されると予想している。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は「EIAの統計は原油価格にはプラスだった。在庫減少は予想より大きかった」と指摘。「FOMCを前に原油価格は圧迫されている。緩和縮小に対する懸念は市場で増幅されているかもしれない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比2セント(0.02%)高の1バレル=106.85ドルで終了した。

更新日時: 2013/08/15 05:48 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。