“残念すぎる”個展が人気　スペイン８２歳の修復失敗画家

　スペイン北東部のボルハで昨年、キリストの“残念すぎる修復画”を手掛けたことで有名になったアマチュア画家セシリア・ヒメネスさん（８２）が１３日、地元で個展をスタートさせた。

　個展には、帆船や丘の上の建物などを描いた風景画など２８点が展示されている。修復画が飾られていた教会を所有する団体が主催。教会関係者ら多くの人が駆けつけ、ヒメネスさんを祝福するなど大盛況だった。２４日まで開催される。

　騒動は昨年８月に起きた。ヒメネスさんは、１９３０年に描かれたキリストのフレスコ画の修復に着手。なぜか視線が原画とは逆の流し目になるなど、全く違う姿に仕上がってしまった。「史上最悪の修復」など当初の非難に心を痛め、寝込んだこともあったという。だが、修復画が徐々に話題となり、逆に大人気になったことや、地元の人の支えで回復。「たくさんの人が支えてくれて幸せ」と話している。

　個展だけでなく、“残念すぎる修復画”は今も人気だ。人口５０００人の町に、絵を見ようと１年間で約４万人が訪れた。入場料などから５万ユーロ（約６５０万円）が寄付されたという。また、Ｔシャツや携帯電話カバー、マグカップなどの無許可の商品も出回るなど、町おこしにつながっている。ヒメネスさんは来週にも地元当局と修復画の商品化権の契約をする予定。利益の４９％を受け取ることになるという。

（2013年8月15日06時02分  スポーツ報知）

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