兵庫津・朝鮮通信使2011年10月30日号
発行日:10/30
▼△▼△▼△▼△▼△▼△ 朝鮮通信使 △▼△▼△▼△▼△▼△▼
2011年10月30日号
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室町期朝鮮通信使(日本側表記)雑記
第一回朝鮮(朝鮮国側表記 日本)通信使(トンシンサ) 2
正使 大学者吉再(キルチェ)門下 大司成 朴瑞生(パクソセン)
字は汝祥,号は栗亭。太宗7(1407)年科挙に合格。
正使朴瑞生は日本にくるにあたって世宗王から、日本の状況(地理。
歴史も含むが何より政治状況がどうであるかの見極めが求められていた
ようである。具体的には倭寇問題であった。田中健夫氏が当時の政情を
著書「倭寇と勘合貿易」に次のように書いている。
「対馬・壱岐・内外大島・志賀・平戸等は赤間関以西の賊であり、四
国以北竈戸社等は赤間関以東の賊である。その兵は数万に近く、その船
は千隻を下らないから、東西呼応して兵を興したら禦ぎ難いものになる。
その西向きの路では対馬島が諸方海賊の集合地であり、赤間関は四国
の諸海賊の出入の門である。もし宗貞盛が西向の賊に、大内氏が西出の
賊に禁令を下したならば、海賊は朝鮮に来ることができない。
しかも志賀・竈戸社島等の賊は大内氏が支配し、内外大島は宗像氏が
支配し、豊後州の海賊は大友氏が支配しており、壱岐・平戸の島は志佐
・佐志・田平・呼子氏が分割支配している。これらの諸氏が厳重に禁防
を立てたならば海賊はどうすることもできない。」
(田中健夫「倭寇と勘合貿易」至文堂 18頁)
朝鮮通信使・朴瑞生の帰国報告から彼が見たことをどのように報告し
たか具体的にしりたいものです。
「倭賊嘗て我が国を侵略し我が人民を虜し、以て奴婢と為し、或いは遠
国に転売し、永く還らざらしむ。其の父兄子弟、痛心切歯するも、未だ
讐に報いることを得ざる者、幾何人か。臣等の行くや、船を泊する処毎
に、被虜の人争いて逃げ来たらんと欲すれども、其の主の枷鎖堅囚する
を以て未だ果たせず。誠に愍れむべきなり。日本は人多く食少なく、多
く奴婢を売り、或いは人の子弟を竊みて之を売る。滔々として皆是なり。
(『世宗実録11、12乙亥』より)」
日本に行ってみたら、倭寇にさらわれ奴隷にされた朝鮮人がたくさん
いて驚いているのです。通信使をみて、助けを求めているんだけれど、
みんな鎖につながれて逃げることもできない、とある。人身売買で生計
を立てている日本人がたくさんいたのですね。余談になりますが、この
時代のもう少しあと、戦国時代には、戦国大名どうしで敵の領地から人
をさらってきて奴隷として売るということを日常的にやっています。奴
隷は海外にも輸出されていて、南蛮貿易でポルトガル商人が日本で買い
つける重要商品のひとつでした。秀吉の朝鮮侵略でも多くの朝鮮人を奴
隷として連れてきていますね。」
(金岡新 世界史講義録
http://www.geocities.jp/timeway/kougi-73.htmlより)
つまり世宗王の父親が対馬を侵略し、非難を浴び自分が回答使を3回も
送り倭寇の禁圧を望んだけれど、前進どころか逆に思える状況の報告を、
正使から受けて、ショックだったではないでしょうか。其れも予想に入れ
ていたのでしょうか、副使に李芸(イイェ)を任命したのでしたが成功
とはいかなかった、ようです。
副使 大護軍 李芸(イイェ)上曰、不知之人、不可以遣、茲用命
汝以送、勿憚煩数、遂賜笠靴。『世宗実録』巻三十一、二月丙子条
世宗にそこまで信頼されていた対日外交官
倭語通詞 尹仁甫(ユンインポ)(第2・3回日本通信使 副使)
表向きの使者の役目は、成功というには無理があったようにみえます。
しかし、秘密の役目に関しては、朴正使はしっかりと情報収集できた様
に思えます。
「一。臣到日本、自對馬島至兵庫、審其賊數及往來之路。若對馬、一岐内
外大島、志賀、平戸等島、赤間關以西之賊也、四州以北竈戸、社島等處、
赤間關以東之賊也。其兵幾至數萬、其船不下千隻、若東西相應、一時興兵
、則禦之難矣。
一。臣が日本に使するに当たり、対馬島から兵庫まで、海賊の数と往来す
る経路を調べて来ました。対馬と一岐の間の島々と志賀・平戸等の島々は
赤間関以西の賊、四州以北の竈戸・社島といった所は赤間関以東の賊の
根拠地です。その兵力はおよそ数万、船の数も千隻を下らず、もし東西が
呼応して一気に兵を起こせば、防ぐのは難しいでしょう。」
「一。日本尚浮屠、交好所贈之物、無踰佛經。
一。日本はいまだに浅はかで、交際における贈物として仏典に勝るものは
ありません。」
「一。日本農人、有設水車、斡水灌田者、使學生金愼、審其造車之法。其
車爲水所乘、自能回轉、挹而注之、與我國昔年所造之車因人力、而注之者
異矣。
一。日本の農民には、水車を設置して田に灌漑している者がいます。学生
の金愼を使わして、その水車の造り方を調べさせました。その水車は水力
で自ら回転しながら水を汲み上げており、わが国でかつて作った人力によ
って水を注ぐ水車とは違います。」
「一。日本自國都至沿海、錢之興用、勝於布米、故行者雖適千里、但佩錢
緡而不齎糧。居路傍者各置行旅寄宿之所、如有客至、爭請接之計、受客錢
以供人馬、關梁則大江設舟橋、溪澗設樓橋、其傍居者掌其橋之税、令過客
人納錢十文或五文、酌其橋之大小而納之、以爲後日修補之資。至於土田舟
車之税、無不用錢、故使錢之術廣、而人無負重致遠之勞矣。
一。日本はその国都から沿海に至るまで銭の使用が盛んで、布や米よりも
ずっと多く用います。このため旅行者がたとえ千里を行くときでも、銭緡
だけ携行して食糧を持ちません。道路沿いに住む人々が旅行者の寄宿所を
設置しており、客が来ると争って招き入れ接待し、客の銭を受けて人馬を
提供します。関梁では大河には舟橋を設置し、小川には樓橋を設置し、そ
の傍に住む者が橋税を管掌しています。橋を通る客から銭十文や五文を徴
収しますが、橋の大小に応じて額が定められ、後日の補修資金にしていま
す。土田や舟車の税に至るまで、すべて銭を用いるため、銭の用途が広く、
人々が重い荷を負って遠くを行く労苦がありません。」
「一。日本以竹爲大索、繋于兩岸、削全木爲舟、鐙子竹索、下於舟上、立
柱架梁、排板成橋、使津吏輕取過渉之税、後日橋毀、用以修補。
一。日本では竹で大きな綱を作って両岸につないで置き、丸太を削って舟
を作り、竹索に鐙をつけて舟の上に下ろし、柱を建てて梁を仮設し、板
を敷いて橋を作っています。津吏に軽微な渡河税を徴収させ、後日橋梁
が壊れた際の補修資金に用います。」
「一。日本之俗、無少大好沐浴潔身、故大家各置浴室、毎閭閻亦累置浴
所、其浴室之制、甚巧而便穩、温湯者吹角、聞者爭納錢浴之。
一。日本の俗では年齢を問わず沐浴して身体を洗うことを好み、大家に
はそれぞれ浴室を設置し、閭閻ごとにまた色々な浴所を置きますが、そ
の浴室の制が甚だ巧妙で便利です。湯を沸かす者が角を吹けば、この音
を聞いた人々が争って銭を出して入浴します。」
「一。日本街市之制、市人各於簷下用板設層樓、置物其上、非惟塵不及
汚、人得易觀而買之、市中食物、無貴賤皆買食之。我國之市、則乾濕魚
肉等食物、皆置塵土、或坐或踐。
一。日本の街の市場の制度では、売り手は庇の下に板を張って棚をつく
り、その上に商品を置きます。このため土埃で商品が汚れることがなく、
買い手はたやすく商品を探してこれを買えます。市場では人々は貴賎の
別なく食物を買い求めて食らいます。わが国の市場では乾湿にかかわら
ず魚肉等の食物を皆土の上に置き、その上に坐ったり踏んだりしていま
す。」
「一。日本凡金銀銅鐵珍物所産之處、不立防禁、使居其地者世專採用之
利、而歳貢於國者有常數、無他差役、故主者不怠、寶産無窮、公私皆?
其利。
一。日本ではおよそ金銀銅鉄等の貴金属を産する所に防禁を立てず、そ
この住民に代々採掘して利益を得ることを認め、国に納める歳貢は一定
で他の賦役がありません。このため住民は怠けず、生産が無窮で、公私
とも利益になっています。」
今回は、荒川徹さんの「朝鮮通信使いま肇まる」のインパクトが強かっ
た故か、自由奔放に書いてしまった気がする。確認不十分、乞許
一読勧めます、荒川徹さんの「朝鮮通信使いま肇まる」。
今回は、これにて・・・・・・・
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対馬URL
http://temado-web.hp.infoseek.co.jp/
http://temado-web.hp.infoseek.co.jp/amenomori-seisin.htm
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関係HPアドレス
兵庫津・朝鮮通信使
http://www.geocities.jp/hasiranka
過去ログは下
http://www.emaga.com/bn/list.cgi?code=ewk79544
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