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利根川の自然観察

お出かけガイド

小貝川合流点〜神崎大橋


1 木下(きおろし)河岸と吉岡家河岸関係文書
  木下河岸は 銚子港で揚がった鮮魚を江戸へ運ぶ中継地でしたが、その後、東国三社詣(香取、息栖、鹿島)のための木下茶船で賑わうようになりました。渡辺華山や松尾芭蕉などの有名な文人墨客も、参詣と水辺の遊覧を楽しんだと言われています。
現在、河岸跡は残っていませんが、河岸で問屋を営んでいた吉岡家には慶長(1596〜1615)年間から明治初頭にかけての出来事が記された文書が残っており、 市指定の文化財になっています。
問い合わせ:印西市教育委員会社会教育課 TEL:0476-42-5111

2 海野作兵衛と六軒川
  江戸時代、利根川東遷にともなって印旛沼、手賀沼周辺で 新田開発事業を興したのが、海野作兵衛(かいのさくべえ)ら17人で、関枠橋近くにその頌徳碑が残っています。江戸時代の手賀沼周辺は洪水の常襲地だったので、海野は沼の水を利根川に排水するため八間川と六軒堀(現・六軒川)を開削して耕作地に変えました。現在、六軒川は、 都市用水および 手賀沼の浄化用水の流路として使用されています。

3 利根川河川敷の牧場
  常総大橋から長豊橋にかけての河川敷では、乳牛がのんびりと草を食べている風景を見ることができます。そののどかな放牧風景は、右岸にある新川水門あたりからも眺められますが、 左岸にある「海から58.50km」の標識の上流にある坂路から河川敷に入ると、もっと間近で見ることができます。

4 龍正院(滑河観音)
  龍正院は、 坂東33ヶ所観音霊場の第28番札所で、平安初期の承和5(838)年、慈覚大師の開基と伝えられています。本尊は十一面 観世音で、当時の鬼怒川(今の利根川)の支流、小田川の朝日ヶ淵(けさがふち)にて揚った観音像を納めたと『利根川図志』にも紹介されており、延命、安産、子育ての守り本尊として多くの参詣者が訪れます。
交通:JR滑河駅から1.5km、徒歩20分。または京成成田駅からバス30分

5 川施餓鬼(かわせがき)
 
川施餓鬼
8月17日、栄橋下で行われる川施餓鬼(灯篭流し)
「川施餓鬼」とは、利根町で 毎年8月17日に行われる灯篭流しのことで、利根川で命を失った人の霊を供養するために始まったと言われています。
その年に亡くなった人の霊を供養する家族が栄橋下の利根川に船を出し、思い思いに灯篭を流すと、川面には幻想的な雰囲気が漂います。またこの行事に合わせて、河川敷では利根町の納涼花火大会が行われます。

6 須賀、矢口(やこう)地区のスーパー堤防
 
須賀地区のスーパー堤防
須賀地区のスーパー堤防には「水と緑の運動広場」がある
スーパー堤防は、 洪水に対する強化と同時に、堤防上に生まれる 造成地の多目的利用を兼ねています。
まだ利根川下流ではスーパー堤防は少ないのですが、そのうちのひとつ、須賀地区のスーパー堤防上には公園が整備され、園内にある展望台からは雄大な利根川のパノラマを楽しむことができます。

7 利根町歴史民俗資料館
  文化財や民俗資料など約600点と、3万点あまりの古文書が展示されています。舟運が盛んだった頃に利根川を往来していた高瀬舟の模型や、明治時代の利根川築堤工事の写真、少年期を利根町の布川で過ごした日本民俗学の父、柳田國男に関する資料、奥山古墳群の出土品などが展示されています。
交通:JR成田線布佐駅からバス15分
休館日:月曜、火曜、祝日、年末年始 TEL:0297-68-4600

8 赤松宗旦旧居
  赤松宗旦は、利根川流域の生活、伝承、地理、物産、寺社仏閣などを調査し、詩歌、俳句、絵図を交えて記録した『利根川図志』の著者です。
文化3(1806)年、布川村(現利根町布川)に生まれた宗旦は、33歳の時に利根町布川の浜宿で漢方医院を開き、その後、医業の傍ら『利根川図志』の編纂に取り組み、 生涯を利根川研究に捧げました。現在、宗旦の旧居は利根川に面した場所に復元され、一般公開されています。

9 利根町立柳田國男記念公苑
  柳田國男は明治20年、12歳の時に故郷の兵庫県を離れ、利根川布川で医院を開業していた長兄のもとに身を寄せていました。この時期に『利根川図志』などに接したことが、後の柳田民俗学の素地になったと言われています。
公苑内には、幼少の國男が読書をしていた土蔵が資料館となっており、また地元の素封家として知られていた 小川家の母屋が復元されて集会室として利用されています。
休館日:月曜、祝祭日、年末年始
問い合わせ先:利根川教育委員会・生涯学習課 TEL:0297-68-2211

10 こうもう神社
  「延喜式神明帳」延長5(927)年に、「相馬郡一座こうもう神社」とその名が記されている由緒のある神社。門の宮、奥の宮の2つの本殿があり、地元の人は 文間大明神と呼んでいました。門の宮あたりは、立木貝塚としても知られています。

11 利根川を詠んだ句碑
  栄町には、利根川を詠んだ多くの句碑が建っています。もともと栄町は俳句が盛んなところで、そのため町に多くの俳人が訪れたのです。成田山新勝寺第18代大僧正荒木東皐(あらきとうこう)の「菜の花や利根の堤の大曲り」の句をはじめ、茨城県藤代町出身の俳人、高野素十が安食小学校の高台に立って詠んだ 夜振りの火方々に燃え沼に燃え」の句碑なども見られます。

12 駒形神社
  平安時代の末期、利根川の大洪水によって食べ物に困った人々は、穀神を祀って駒形神社としました。以後、五穀大いに実り、食には安心していられるところから、地名を 安食(あじき)」と改めたとの伝承があります。

13 栄橋
  昭和46年に架けられた橋で、橋長は273m。国道6号線の 大利根橋の下流約9kmに位置し、そこから次の長豊橋までの区間に利根川を渡る橋がないこともあり、千葉・東京方面と竜ヶ崎・牛久方面を結ぶ主要路として交通量が多いのが特徴です。

14 北千葉導水事業
  北千葉導水事業は、利根川と江戸川を連絡する導水路を建設し、 流域の内水排除、手賀沼の水質浄化および都市用水の供給確保を図るものです。導水路は、我孫子市布佐から柏市を貫き、江戸川の千葉県松戸市主水新田に通じる約30kmの延長をもち、その4分の3は地下を通っています。

15 県立房総風土記の丘
  「房総風土記の丘」は、利根川と印旛沼にはさまれた北総丘陵地帯にあります。資料館には 千葉県内で出土した考古資料が収蔵・展示されているほか、岩屋古墳をはじめとする龍角寺古墳群、明治時代の学校建築として貴重な旧学習院初等科正堂などがあります。また敷地内には植物園、遊歩道が整備されています。
交通:JR安食駅からバス5分、徒歩10分
またはJR成田線下総松崎駅から徒歩25分
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、祝・休日の翌日、年末年始
TEL:0476-95-3126

16 県立房総のむら
 
房総のむら
歴史体験が可能な「房総のむら」
「県立房総のむら」には、江戸後期から明治初期の農家や商家、武家屋敷などの町並が復元されており、呉服、酒、細工、菓子、鍛冶屋など衣食住の店も再現されています。 当時の生活様式や生活技術を実物や実演を通して体験できるユニークな博物館です。
交通:JR安食駅からバス5分