オンライン署名−「広島平和記念資料館に展示されている、被爆再現人形「生死の境をさまよう」の撤去方
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オンライン署名の紹介です。
今回の問題は、少し前から取り上げられていたものですが、広島の原爆の日、長崎の原爆の日をむかえ、もう一度、核兵器・放射能の恐ろしさと廃絶を考える上で重要なことなので、このオンライン署名を紹介します。
「広島平和記念資料館に展示されている、被爆再現人形「生死の境をさまよう」の撤去方針を撤回していただけるよう願います。 」
広島市は、広島平和記念資料館の展示を「実物」にこだわった内容に改装するために、”被爆再現人形”を撤去しようとしています。
被爆再現人形は、辛うじて即死をまぬがれた被爆者が、全身に大火傷を負いながら、被爆直後に市中を彷徨った悲惨な様子を表現しているものだと考えます。
資料館や市は、実物展示にこだわろうとしていますが、爆心地はおおよそ破壊し尽くされ、人形が表現しているような写真、資料は一切残っていないはずです。
残っているのは、被爆者の記憶とあの人形、そして被爆者の描かれた絵画のみ。
等身大の被爆再現人形は、この世において唯一無二の資料なのです。
私達はこれを、後世に引き継がなければなりません。実物だとか作り物だとかそういった線引きはやめ、引き継ぐ者に対して、あらゆる手段と、原爆の世界への手掛かりを遺しておくべきであると考えます。
たかがプラスチックの人形ですが、被爆者の大事な遺品や罹災体験に並ぶ、ヒロシマの大事な資料です。
後世に引き継ごうという今こそ、この資料を遺すべきではありませんか。
【中崎太郎】広島平和記念資料館(広島市中区)が被爆者の姿を再現した人形やジオラマ展示を撤去する方針を決めたことをめぐり、議論が起きている。遺品など「実物」の展示を充実させるためだが、市民からは「一目で悲惨さが分かる」と反対の声も上がる。原爆の惨禍をどう伝えていくべきか――。
特集:核といのちを考える
資料館本館2階には、原爆による火災を思わせるオレンジのライトのもとで、逃げ惑う母や子どもの人形を置いたジオラマ展示がある。人形の衣服は焼け、腕の皮膚はやけどで垂れ下がっている。幅約5メートル、奥行き約3メートルのジオラマは、焦げた衣服や三輪車、溶けた眼鏡など実物の遺品が並ぶ展示の冒頭にある。 「初代」は1973年に設置されたロウ人形。91年の大規模改修で登場した今の人形はプラスチック製だ。リアルさを追求し、東京都の大手内装会社が製作した。
ただ、当初から「子どもが怖がる」という意見がある一方、被爆者からは「現実はこの程度のものではなかった」との声も出ていた。資料館は2010年7月、展示の見直しの一環として、ジオラマの撤去と遺品や写真など実物資料を重視する方針を打ち出した。
これに反対の声を上げたのが、広島市佐伯区の会社員、勝部晶博さん(43)。フェイスブックのページと、ネット上での撤去に反対する署名を集めるサイトを今年3月、立ち上げた。
「遺品や写真だけでは伝わらないものがある」「もっとリアルな人形があってもいい」。サイトには意見が次々と寄せられた。勝部さんは6月上旬、全国から集まった1700人分の撤去反対署名を資料館に提出。7月末時点で署名は7千人分に膨らんだ。
勝部さんは9年前、子どもが生まれた。子どもを資料館に連れて行くと、ジオラマをじっと見つめた。「特に子どもには人形のほうが印象に残る。被爆の恐ろしさ、平和の大切さを伝えるために人形は不可欠だ」と話す。
一方、資料館の増田典之副館長は、ジオラマを撤去する方針について「遺品などの資料を少しでも多く展示したい。被爆の実相を正確に伝えるには、現物資料が大切だ」と説明する。
広島市の松井一実市長は7月、「イメージが見えるような展示を求める声が続く場合は、技術的な工夫で、そのような装置を作る可能性もある」と表明。ジオラマの代わりになる展示も検討する考えを示した。
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■長崎には人形なし「科学的に被害伝える」
長崎原爆資料館(長崎市)には、原爆で崩壊した浦上天主堂の遺構や長崎市の地形の模型はあるが、人形の展示はない。
被爆体験を語るボランティアらから人形の設置を求める声が出たこともあるが、資料館の担当者はこう話す。「世界の人に原爆の悲惨さを分かってもらうには、感情に訴えるのではなく、被害を科学的に伝えることが重要だ」
地上戦で多数の住民が犠牲になった沖縄県。糸満市の県平和祈念資料館には13年前の開館当初から、住民が避難していた自然の洞窟(ガマ)のジオラマがある。体験者から聞き取った証言をもとに作った。
幅約2メートル、奥行き約10メートル。中には銃を構えた軍人や泣き声を漏らさないように赤ちゃんの口をふさぐ女性、負傷兵を看護する女学生など9体の人形もある。資料館の担当者は「軍が市民を巻き込んだ沖縄戦の実相を伝えるには、ジオラマが必要だ」と語る。
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〈広島平和記念資料館〉 1955年開館。市民らが寄贈した被爆者の遺品など約2万1千点の資料を所蔵する。「被爆体験を次世代にわかりやすく伝える」などを目的に2010年、大規模改修の基本計画が策定された。工事は今年度に東館から始まり、18年度中の完成を目指す。大規模改修は75年と91年にも実施されている。
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