スペインとイタリア債上昇、GDP統計で-独債ほぼ変わらず
8月14日(ブルームバーグ):14日の欧州債市場では、スペインとイタリアの国債が上昇した。ユーロ圏が4-6月(第2四半期)に過去最長のリセッション(景気後退)から脱却したことを背景に、域内の高利回り債を求める動きが強まった。
スペイン10年債 利回りは4週間ぶりの大幅低下となり、5月以来の低水準となった。ドイツとフランスの4-6月成長率もアナリスト予想を上回ったことから、債務危機が和らいでいる兆候が強まった。ポルトガル10年債 は3日続伸。一方、ドイツ国債はほぼ変わらず。32億3000万ユーロ相当の10年債入札で、借り入れコストが2012年2月以来の高水準に達した。
INGグループの先進国市場債券責任者、パドライク・ガービー氏(アムステルダム在勤)は「最近の予想を上回る経済データが相場を支えている」とし、「このトレンドは極めて堅調だ。周辺国債が大きく買われている」と語った。
ロンドン時間午後4時42分現在、スペイン10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.42%。一時は4.41%と、5月31日以来の低水準となった。同国債(表面利率4.4%、2023年10月償還)価格はこの日、0.595上げ99.855。
イタリア10年債利回りは5bp低下の4.18%。前日には4.15%まで下げ、6月6日以来の最低を付けた。同年限のポルトガル国債 利回りは3bp下げて6.50%。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した4-6月の域内総生産(GDP )速報値は前期比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト41人の予想中央値は0.2%増だった。
既発のドイツ10年債利回りは1.81%。一時は1.84%まで上げ、6月24日以来の高水準となった。
ドイツが実施した10年債入札で、平均落札利回りは1.80%と、12年2月29日以来の高水準となった。前回入札の7月17日時点は1.57%だった。
英国債相場は下落。10年債利回り は前日比3bp上昇し2.63%。一時は2.66%と、11年10月28日以来の高水準となった。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.25下げ92.94。
この日発表された雇用統計で失業保険申請ベースの7月の失業者数の減少幅がアナリスト予想を超えたことから、英景気の回復兆候が強まった。
原題:Spanish Bonds Rise With Italy’s on Euro-Area Growth; BundsDrop(抜粋)Pound Gains for 4th Day Versus Euro as Unemployment Claims Drop(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Emma Charlton echarlton1@bloomberg.net;ロンドン Lucy Meakin lmeakin1@bloomberg.net
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更新日時: 2013/08/15 01:40 JST