エジプト 暫定政府が非常事態宣言8月14日 22時59分
エジプトの首都カイロで軍による事実上のクーデターに抗議して座り込みを続けてきたデモ隊に対し、治安部隊が強制排除に乗り出し多数の死傷者が出て混乱が広がるなか、暫定政府は事態を収拾するため、全土に非常事態宣言を出しました。
エジプトの治安部隊は14日朝(日本時間14日午後)、事実上のクーデターで大統領職を解任されたモルシ氏の支持者が抗議の座り込みを続けていた、カイロ市内の2か所の広場に突入しました。
治安部隊は、催涙ガスを使ったりブルドーザーでバリケードを壊したりしてデモの参加者を強制的に排除し、激しい衝突となりました。
地元のテレビ局は、担架に乗せて運ばれる大勢のけが人の映像を伝えています。
内務省は、2か所の広場のうち1か所を制圧したとしていて、デモの参加者少なくとも200人を拘束する一方、もう1つの広場では治安部隊が包囲を狭め、デモ隊との散発的な衝突が続いています。
エジプトでは先月3日の事実上のクーデターのあと、軍が主導する暫定政府が発足しましたが、ムスリム同胞団は民主的な選挙で選ばれたモルシ氏の復権を求めて、1か月以上にわたって抗議行動を続けていました。
今回の強制排除に対抗して、ムスリム同胞団は、カイロ市内の別の場所やアレクサンドリアやスエズなどの地方都市でも抗議デモを行っていて、保健省によりますと、治安部隊との衝突で全国で少なくとも95人が死亡したということで、ムスリム同胞団側も100人を超える犠牲者が出ているとしています。
また国営テレビは、デモ隊の一部が警察署や政府の施設、そしてキリスト教会などを襲撃していると伝えていて、双方の衝突がさらに広がる懸念が強まっています。
こうしたなか暫定政府は14日、事態を収拾するため、エジプト全土に非常事態宣言を出しました。
非常事態宣言の期間は1か月間で、これによって暫定政府の警察や軍は、逮捕状がなくても一般市民を拘束することができます。
非常事態宣言は、ムバラク政権時代にムスリム同胞団を弾圧する口実として使われてきただけに、ムスリム同胞団側が反発を強めるのは必至で、混乱の拡大が懸念されています。
▽ エジプト治安部隊 デモ隊を強制排除 (8月14日 22時6分)
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