ぷらっとこだまエコノミープラン2013
岸田法眼 | レイルウェイ・ライター
「ぷらっとこだまエコノミープラン」(以下、「ぷらっとこだま」)は、きっぷではない。その証拠にJR東海みどりの窓口では発売しておらず、JR東海ツアーズ、一部の旅行代理店でしか購入できない。購入したきっぷをキャンセルする場合は、払い戻し手数料210円を差し引いた額を返金(運休は全額返金)してもらえるが、「ぷらっとこだま」は募集型企画旅行という商品のため、乗車日の1~10日前にキャンセルした場合、規定の取消料が発生する。
なお、「ぷらっとこだま」は発着駅を東京、品川、新横浜、静岡、浜松、名古屋、京都に限定している(ただし、東京・品川―新横浜間、静岡―浜松間、京都―新大阪間は発売していない)。毎年4月27日から5月6日まで、8月11日から8月20日まで、12月28日から1月6日までは繁盛期料金となる。
今回は東京・品川発着分を解説する。
おひとりさまでもOKだが、制約多し
「ぷらっとこだま」の魅力は、安いこと。遠ければ遠いほどおトクで、特に東京・品川―名古屋以遠のグリーン車プランは、自由席利用よりも安い。
「ぷらっとこだま」は片道利用、1人利用がOK。JR東海ツアーズの窓口は一部店舗を除き乗車日の1か月前から1日前まで、同社ホームページ(注、JR東海ツアーズホームページ)は5日前まで申し込むことが必要だ。
インターネット予約は、5時30分から23時30分まで受け付けており、乗車日、乗車駅と降車駅、発車時刻、空席状況、禁煙車か喫煙車の指定(700系のみ)、人数(最大6人まで)、希望する座席やその位置(いずれも2人以内に限る)を選択することができる。クーポン券は指定の場所に有料で届き、クレジットカードで決済する。
窓口購入は現金、クレジットカード、どちらでも購入することが可能だ。座席数が限られているため、みどりの窓口で指定席券を購入するときに比べ、時間がかかるものの、その場で係員が細かく説明してくれるのがメリットだと思う。
「ぷらっとこだま」は制約が多い。
1つ目は、東京―新大阪間の普通乗車券は「東京都区内―大阪市内」と印字しているが、「ぷらっとこだま」は「東京―新大阪」である。つまり、東京、または品川までの乗車券を別に購入しなければならない。
新大阪で東海道本線に乗り換え、大阪へ向かう場合は、一旦下車して新大阪―大阪間の乗車券を買うことになる。
2つ目は、乗車変更ができないこと。通常、指定席特急券を購入し、その列車に乗り遅れてしまえば、後続列車の自由席に乗ることができる。しかし、「ぷらっとこだま」で指定の列車に乗り遅れてしまった場合、その時点で取消料が発生してしまう。このような事態となった場合、みどりの窓口で、通常の普通乗車券、新幹線特急券を買い直すはめになってしまい、大損する。
ただし、交通機関の乱れによる場合は、JR線の遅延証明書(遅延時間15分以上に限る。私鉄、地下鉄、バス等は不可)とクーポン券類を購入した販売店に持参するか、「e-ぷらっとネット」宛てに送付すれば、キャンセル料を回避することができる。「ぷらっとこだま」を利用する際は、乗車駅発車時刻の30分以上前に到着しておきたい。
このほか、磁気券ではないため、JR東海の新幹線有人改札を利用すること、途中下車不可もある。
制約が多い中で、おトクなのはワンドリンク引換券がついていること。「ぷらっとドリンク券引換券」のステッカーがある売店で利用できる。なお、〈こだま〉は車内販売がない。
現在、東海道新幹線の“ぷらっと〈こだま〉”は基本的に毎時2本運転されているものの、名古屋―新大阪間は毎時1本となるため、乗車駅―京都・新大阪間の利用は早いうちに申し込むことをお勧めしたい。乗車1週間前に申し込んでも、時間帯によっては売り切れ(満席)扱いになっているからである。
グリーン車がオススメ
「ぷらっとこだま」を利用するのであれば、グリーン車がオススメだ。前述したように、利用区間によっては自由席利用よりも安い場合があるし、東京―静岡・浜松間などは、通常の普通車指定席に数百円程度上乗せすればいいので、割高感がないからだ。所要時間がかかるので、グリーン車の旅を心ゆくまで満喫できる。
現在、東海道新幹線の〈こだま〉は700系が主力で、列車によってはJR西日本700系3000番代で運転することがある。700系のグリーン車は、歴代の車両を継承するゆったりした座席に加え、セミアクティブサスペンションを装備しているので、動揺や振動を大幅に抑えている。