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名所の木に×印 観光客へ抗議
08月09日 19時03分

名所の木に×印 観光客へ抗議
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美しい丘や畑の風景で道内有数の観光地になっている上川の美瑛町で、名所として知られる木に赤いスプレーで大きなバツ印が書かれていたことがわかりました。
木が立っている畑を持つ農家の男性が、無断で畑に入り込む観光客への抗議の行動として書いたということです。
バツ印が書かれたのは、美瑛町の観光名所の一つとして知られる「哲学の木」で、この木が立っている畑を持つ農家の30代の男性が、先月中旬、幹の中央部分に赤いスプレーで書きました。
「哲学の木」は首をかしげて物思いにふけるような姿を連想させる形をしていて、見物や写真撮影をする多くの観光客が訪れますが、農家の男性によりますと、畑に無断で入り込み、作物を踏み荒らす人が相次いでいたということです。農家の男性は「本当は美しい木を傷つけることはしたくなかったが、大事な農作物が荒らされていることや、農作業中に無遠慮に撮影されることで、農家がストレスを感じている現状を分かってほしかった」と話しています。
年間130万人の観光客が訪れる美瑛町では、台湾やタイなど海外からの観光客も増えて、ほかの名所の木でも無断で畑に入り込む人が相次ぎ、町や観光協会では畑の周りにロープや注意書きの看板を設置するなどの対応に追われています。
しかし、看板などがさらに増えれば、観光資源の景観を乱すことになるとして、今後は旅行会社を通じて行っている観光マナーの周知を地元のホテルなどにも広げることを検討しています。
美瑛町経済文化振興課の武井一真課長は「町としては農業と観光を両立させることが基本だと考えている。畑は生産活動の大事な場所だと観光客に理解してもらえるよう、粘り強く情報を発信していきたい」と話しています。