ベルギー1部・スタンダールから名古屋グランパスへ復帰したFW永井謙佑(24)が13日、約8カ月ぶりに古巣の練習に合流し、チームメートの歓迎を受けた。永井は移籍を決めた最大の理由は来年のブラジル・ワールドカップ(W杯)出場のためと説明。グランパスで大暴れして日本代表定着を目指すと抱負を語った。背番号は昨季までの「18」に決まった。
2年間ともに戦ったチームメート。勝手知ったる練習グラウンド。ベルギー帰りの永井がグランパスになじむのに時間は要らなかった。練習に先立ち永井が円陣の中央で照れながらあいさつすると、仲間から盛大な拍手が起きた。
「みんなから『違和感がなさ過ぎる』と言われました。その言葉がうれしかった」。2時間近くにわたった練習では、久々に味わう名古屋の酷暑に悲鳴を上げつつも軽快に動き回った。
スタンダールでは昨季リーグ戦(プレーオフを含む)11試合で無得点。満足に出場機会を得られなかった。ベルギーで新シーズンを迎えるにあたり、グランパスに加え、欧州の数チームから獲得の打診があった。永井は悩みに悩んだという。
「結果を出していない自分にとっては、日本に戻るにしても勇気がいる」。日本へ潔く帰国するのか、あくまで欧州にこだわるのか。決め手はW杯だった。
永井は「ボクは幼いころにブラジルで暮らし、両親は今も向こうに住んでいる。W杯への特別な思いがある」と胸中を吐露。「1年後を見据えれば、今から違うチームに入って一からレギュラー争いをするより、周りが自分の特徴を知っているところでプレーする方がいいと思った」。
日本代表入りにはグランパスで圧倒的なパフォーマンスを示し続ける必要がある。永井は「自分の加入でチームが失速したと言われたくない。さらに加速させたい」と意欲的。6月半ばからベルギーで練習を続けており、コンディションは上々。ゴールに飢えたスピードスターが名古屋で再出発する。 (木村尚公)
合流初日に永井効果が目に見える形で現れた。再加入したスピードスターを一目見ようと、練習グラウンドには約300人のサポーターが詰め掛けた。
DF増川は「永井君の効果でしょう。スーパースターですからね」と苦笑。練習後にはサインを求める長蛇の列ができ、対応した永井に盛んに励ましの言葉が贈られた。
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