アトランタ連銀総裁:年内どのFOMCでも緩和縮小あり得る
8月13日(ブルームバーグ):アトランタ連銀のロックハート総裁は米経済の「パフォーマンスは一様ではない」状況で、債券購入の縮小が今後3回の連邦公開市場委員会(FOMC)のどの会合で始まってもおかしくないと述べた。同総裁は当局による月間850億ドルの債券購入策に支持を表明してきた。
ロックハート総裁は13日、アトランタで講演し、「資産購入に対する最初の調整というのは、段階的に行うプロセスの始まりになる。それは今後入手する情報と経済の方向性を示す確実性の積み重ねによって決定する」と述べ、「いつ着手するかの決定は、9月か10月、12月のいずれにせよ、慎重な一歩として考えるべきだ」との見解を示した。同総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での議決権は持たない。
今年の議決権を持つシカゴ連銀のエバンス総裁は先週、9月に緩和縮小を開始する決定を明確には「排除しない」と語った。
雇用統計に注目ロックハート総裁は講演後に記者団に対し、来月から債券購入ペースを緩めることが望ましいかどうか判断する上で熟考する最も重要な要素は月次の雇用統計だと説明。「9月の可能性を少しも排除しない。今から9月までの統計から得られるどのような小さい兆候も確実に見たい」と語った。
同総裁は記者団に対し、ディスインフレ指標の急速な悪化や「極めて弱い雇用統計の数字」が出れば、債券購入縮小の来月開始が回避される要因となり得ると述べた。
金融当局者が債券購入縮小の可能性に言及したのを受け、今年前半に米国債利回りは急上昇した。これについてロックハート総裁は、債券市場が最初の購入縮小を「既にほとんど織り込んでいる」ことを示唆するものだと説明した。
ロックハート総裁はアトランタのキワニスクラブでの講演で、9月はまだ「自分の見通しに確信を持てるほど十分なデータを入手できていないだろう」と述べ、「従って当局が資産購入の完了を約束したり、縮小の具体的な道筋を示すことは賢明ではないだろう」と指摘した。
原題:Lockhart Says QE Taper Possible at Next Three Meetings (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Atlanta Steve Matthews smatthews@bloomberg.net
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更新日時: 2013/08/14 06:34 JST