Updated: Tokyo  2013/08/14 07:26  |  New York  2013/08/13 18:26  |  London  2013/08/13 23:26
 

8月13日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが上昇ー小売売上高の増加で緩和縮小の見方強まる

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して上昇。7月の米小売売上高が4カ月連続増加となり、9月にも金融緩和縮小が始まる可能性があるとの観測が広がったことが背景。

円はユーロに対しここ9週間で最大の値下がり。安倍晋三内閣が法人税の実効税率引き下げを検討するよう関係省庁に指示したと報じられたことが手掛かり。スウェーデン・クローナは主要16通貨の過半数に対して上昇。消費者物価指数(CPI)が予想外に前年比で上昇したことを受けた。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「前月の改定値も含めると今回発表の米小売売上高は予想を上回った。景気のモメンタムは好転しつつあるようだ」とし、「金融当局が9月に緩和縮小を開始する可能性はある」と続けた。

ニューヨーク時間午後2時42分現在、ブルームバーグ米ドル指数 は前日比0.6%上昇の1026.25。一時0.7%上昇と、日中ベースでは1日以降で最大の上げとなった。

ドルはユーロに対し0.3%高の1ユーロ=1.3257ドル。ドルは対円で1.4%上げて1ドル=98円25銭。一時1.5%高となった。円は対ユーロで1.1%安の1ユーロ=130円27銭。一時1.2%安まで下げた。

◎米国株:反発、小売売上高の伸びを景気拡大の兆候と受け止める

13日の米国株 は反発。朝方発表された米小売売上高の伸びは、米国の景気が緩やかに拡大している兆候と受け止められた。

午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1694.16で終了。ダウ工業株30種平均は31.33ドル(0.2%)上げて15451.01ドル

パイオニア・インベストメント・マネジメント(ボストン)の運用担当者、ジョン・キャリー氏は「経済ニュースの全般的な傾向はある程度前向きになってきた。これまで数日間の調整を経て、押し目を拾いに株式市場に戻ってきた投資家がいるのだろう」と述べ、「力強い回復が近く見られるかどうかは分からない。しかし景気は拡大しているようだ。そのペースは緩やかだが確実に前進している。これが結局のところ市場に受け止められたのだろう」と続けた。

米商務省が発表した7月の小売売上高(速報値)は、季節調整済みで前月比0.2%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は前月比0.3%増加だった。前月は0.6%増(速報値0.4%増)に上方修正された。

◎米国債:続落、小売売上高の増加を嫌気-緩和縮小の観測広がる

米国債相場は続落。米小売売上高が4カ月連続で増加したことを受け、約1週間ぶりの大幅安となった。米金融当局が債券購入プログラムの規模縮小を開始できるほどに、経済が力強さを増しているとの見方が広がった。

5年債と10年債の利回り差はほぼ2年ぶりの大幅に拡大。米商務省の発表によると、7月の小売売上高は前月比0.2%増加した。アトランタ連銀のロックハート総裁は、債券購入の縮小は今後3回の連邦公開市場委員会(FOMC)のどの会合で始まってもおかしくないと述べた。同総裁は当局による月間850億ドルの債券購入策に支持を表明してきた。次回FOMCは9月17-18日に予定されている。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、カルロス・プロ氏(ニューヨーク在勤)は「小売売上高はまずまずの数字で、9月の緩和縮小を阻む内容ではない」と指摘。「緩和縮小に備えたポジション調整が進むにつれ、利回りはじわじわと上昇するだろう。8月末までは2.55-2.75%のレンジを抜けないと思われる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時29分現在、10年債利回り は10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.72%。一時は1日以来で最大となる11bp上げる場面もあった。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は26/32下げて98 1/8。

小売売上高

7月の小売売上高のブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は前月比0.3%増加だった。前月は0.6%増(速報値0.4%増)に上方修正された。国内総生産(GDP)の算出に使用される自動車、ガソリン、建築資材を除くコア売上高は0.5%増と、昨年12月以降で最大の伸び。

BTIGのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ダン・グリーンハウス氏(ニューヨーク在勤)は「小売売上高の数字は良好で、緩和縮小の観測を一層高めた」と述べ、「商いは薄かった」と続けた。

5年債と10年債の利回り差は1.24ポイントと、6日に記録した2011年8月以来の最大である1.25ポイントに接近した。イールドカーブのスティープニングは投資家が経済成長の加速を見込んでいることを反映する。

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り差 (ブレークイーブンレート)は一時2.28ポイントに拡大。5月29日以来の最大となった。

物価統計

米労働省は14日に7月の生産者物価指数(PPI)統計を発表する。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、前年同月比2.4%の上昇が予想されている。6月は2.5%上昇だった。15日発表の7月消費者物価指数(CPI)は2%上昇し、6月の1.8%から加速すると予想されている。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏はツイッターへの投稿で「米金融当局が量的緩和を縮小させるのは経済成長が力強さを増しているからではない。資産バブルへの懸念があるためだ」と指摘した。米国株式市場のS&P500種株価指数は今年に入って23%上昇。昨年は年間で12%上げていた。

ロックハート総裁はアトランタで講演し、「資産購入に対する最初の調整というのは、段階的に行うプロセスの始まりになる。それは今後入手する情報と経済の方向性を示す確実性の積み重ねによって決定する」と述べ、「いつ着手するかの決定は、9月か10月、12月のいずれにせよ、慎重な一歩として考えるべきだ」と続けた。同総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での議決権は持たない。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「7月の米小売売上高はエコノミストや米金融当局の考えと一致した。「とんでもない内容の統計が出てこない限り、債券購入は縮小されるだろう」と続けた。

原題:Treasuries Fall Second Day as Sales Data Fuel Bets Fed toTaper(抜粋)

◎NY金:1週間ぶり下落、金融緩和縮小の憶測-ドル上昇も重し

ニューヨーク金先物相場は1週間ぶりに下落。米景気改善の兆しを背景に緩和縮小をめぐる憶測が強まったほか、ドルの上昇も金買いの後退につながった。

米商務省が発表した7月の小売売上高(速報値)は4カ月連続のプラスとなった。ドル は主要10通貨に対して1週間ぶりの高値に上昇した。アトランタ連銀のロックハート総裁は債券購入の縮小は今後3回の連邦公開市場委員会(FOMC)のどの会合で始まってもおかしくないと述べた。

ソシエテ・ジェネラルの商品調査の世界責任者、マイケル・ヘーグ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「米経済は改善の兆しを見せている」と指摘。「金価格は一段と下落する可能性がある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比1%安の1オンス=1320.50ドルで終了した。

原題:Gold Falls for First Time in a Week on U.S.Retail Sales, Dollar(抜粋)

◎NY原油:続伸、約1週間ぶり高値-米小売売上高の増加で

ニューヨーク原油先物相場は3営業日続伸。米小売売上高の増加と予想を上回るドイツの景況感指数を受けて、経済成長とそれに伴うエネルギー需要拡大への期待が高まった。

7月の米小売売上高は前月比で増加し、これで4カ月連続でのプラスとなった。ZEWが発表した8月の期待指数は42.0と、前月の36.3から上昇し、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト42人の予想中央値(39.9)も上回った。リビアでは前日、国内最大の石油積み出し港が閉鎖された。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「米国と欧州から出てきた明るい経済ニュースが、悪材料の影響を打ち消した」と指摘。「米小売売上高は良好な数字だった。マーケットはこれに反応している」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比72セント(0.68%)高の1バレル=106.83ドルで終了した。終値ベースで2日以来の高値。

原題:WTI Rises on Economic Data as Brent Advances to Four-MonthHigh(抜粋)

◎欧州株:4日続伸、好決算とドイツ景況感で-イーオンに買い

13日の欧州株式 相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は4営業日続伸し、10週間ぶり高値を付けた。予想を上回る企業決算と、ドイツ投資家信頼感の改善が手掛かりとなった。

ドイツの電力会社、イーオン は6週間ぶりの大幅上昇。1-6月利益がアナリスト予想を上回ったことが買い材料。スイスの資産運用会社GAMホールディングは約4年ぶりの大幅高。利益が3倍余り増えたことが好感された。モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行がイタリアの銀行株の上げを主導。イタリア10年債の独10年債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)が2年ぶり低水準となったことが背景にある。

ストックス欧州600指数 は前日比0.6%高の307.79と、5月28日以来の高値で引けた。年初来では10%上げている。

ベアリング・アセット・マネジメントの運用担当者、ジェームズ・バックリー氏は電話で、「投資家の関心は株主総会に集中しており、決算が予想を上回るとの見方に傾きつつある」とし、「欧州のマクロ経済データがやや良い内容なことや中国の経済統計に対する懸念が和らいだことと相まって、信頼感を多少押し上げるのに寄与した。これら全てが欧州株にとって良好な環境をつくった」と語った。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がこの日発表した8月の独景況感指数は42.0と、7月の36.3から改善された。

13日の西欧市場では、ギリシャとアイスランドを除く16カ国で主要株価指数が上昇した。

原題:European Stocks Advance as GermanConfidence Exceeds Forecasts(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債下落、景況感改善で安全需要後退-スプレッド縮小

13日の欧州債市場では、ドイツ国債が下落。ユーロ圏の他諸国の国債を下回るパフォーマンスとなった。8月のドイツ景況感の予想を上回る改善を背景に、域内で最も安全とされる同国債の需要が後退した。

ドイツ10年債利回りは7週間ぶり高水準となった。同国は40億ユーロ相当の10年債入札を14日に行う。フランスとオランダ、フィンランド、オーストリアの国債も下げた。翌日発表される経済統計では、ユーロ圏経済が4-6月(第2四半期)にプラス成長に回復した状況が示されるとアナリストらはみている。

イタリアとスペインの10年債のドイツ債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は縮小し、それぞれ2011年以来の最小となった。

HSBCプライベートバンクの投資戦略の英国責任者ウィレム・セルズ氏(ロンドン在勤)は「ドイツ国債に対する向こう3-6カ月の見通しはネガティブで、当社はドイツ国債をアンダーウエートにしている」と発言。「ドイツ経済は正しい方向に向かっており、周辺国に関する材料は総じてプラスだ。これでスプレッドは縮小し、ドイツ国債の利回りに上昇圧力を加える可能性がある」と続けた。

ロンドン時間午後4時28分現在、ドイツ10年債利回りは前日比11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.81%。これは6月25日以来の高水準。同国債(表面利率1.5%、2023年5月償還)の価格は0.985下げ97.215となった。

ドイツ30年債 利回りは一時、9bp上昇し2.60%となった。2年債利回りは6bp上げて0.23%。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた8月の独景況感指数は42.0と、7月の36.3から改善した。ブルームバーグがまとめた別のエコノミスト調査によれば、14日に発表されるユーロ圏の4-6月域内総生産(GDP )は前期比0.2%増が見込まれている。1-3月(第1四半期)は6四半期連続のマイナス成長だった。

イタリア10年債 利回りは6bp上昇の4.23%。ドイツ債に対するスプレッドは5bp縮小の242bp。11年7月以来最小の237bpまで縮小する場面もあった。11年11月9日にはユーロ導入以後で最大の575bpを記録している。

スペイン10年債利回りは1bp上昇し4.47%。ドイツ債とのスプレッドは10bp縮小の268bp。一時は11年8月以来最小の265bpとなった。

英国債相場は下落。10年債利回りは11年10月以来の高水準に達した。住宅価格が上昇し、インフレ率が中銀目標の2%を上回る水準にとどまっていることが背景にある。

同利回りはロンドン時間午後5時現在、前日比14bp上昇の2.60%。一時は11年10月28日以来の高さとなる2.61%に達した。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は1.045下げ93.195。

原題:German Bonds Slump With France’s as GrowthSigns Sap Safety Bid(抜粋)U.K. Gilt Yields Climb to Highest Since 2011Amid Growth Signs(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク 楽山 麻理子 + 1-212-617-4903mrakuyama@bloomberg.net;ニューヨーク 西前 明子 +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

更新日時: 2013/08/14 06:21 JST

 
 
 
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