太田 さくら動物病院|犬の食事のしつけ
太田市のさくら動物病院では、しつけの相談をされることがあります。特に初めて犬を飼う方は、しつけに悩みますよね。当院が見つけた、犬のしつけに役立つ情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
犬の食事のしつけとは、犬がえさを目の前にしても、飼い主が許可するまで待ての状態を保つことです。
【食事のしつけ 〜基本方針〜】
◇強化
「食べ物を目の前にしてもマテの状態を保てた」瞬間に
ごほうびを与える。
◇弱化
「食べ物を目の前にしたら飼い主を無視して食いついた」
瞬間に不快を与える。
食事のしつけに際しては強化、弱化の両方が効果的です。リードなどをうまく使えば、犬に対して効果的に嫌な感じを与えることができますので、犬に食事をしつける際は、食べ物を目の前にしても待ての状態を保てた瞬間に賞を与える「正の強化」を中心のトレーニング、飼い主を無視して食いついた瞬間に罰を与える「正の弱化」をサブトレーニングとして進めていききたいと思います。
【しつけの実践】
◇準備1:マテを覚えさせる
まずは待て(マテ)を覚えさせましょう。犬の食事のしつけとはつまり、「食べ物と言う強烈(きょうれつ)に気持ちをひきつけるものを目の前にしながらの”待て”」ですから、待てと同じといえます。
◇準備2:ごほうびを用意する
たべもの・おもちゃ・なでる など。
◇準備3:首輪とリードで犬を固定する
「正の弱化も効果的」と述べましたが、具体的には首輪とリードを犬に取り付けてそれを柱など動かない場所に固定します。食べ物を見つけて食いつこうとしたら首輪に締め付けられて苦しくなるということです。力の加え方に注意してください。
【しつけの実践】
◇ステップ1:犬の動きを制限する
犬に首輪とリードを付けて、柱など固定できる場所に結び付けます。こうすることで犬の動きを制限します。
◇ステップ2:ギリギリの場所に食べ物を置く
犬の動きを制限できたら、犬の口が届かないギリギリのところにえさを置いてしばらく様子を見てみましょう。犬は「今食べないと誰かに取られちゃう!」と常に焦った気持ちの状態ですので我(われ)を忘れて食べ物に食いついてくるでしょう。しかしリードで固定されていますので、 食いつけば食いつくほど首が締まって苦しくなります。つまり我を忘れて食べ物に食いつくことに対して「罰」が下るのです。このことを繰り返すことで犬は「我を忘れて食べ物に食いついても疲れるだけで無駄だなぁ・・・」と学習していき、徐々にがっつくことを諦めるようになってきます(オペラント条件付けの内の「正の弱化」)。
◇ステップ3:おうかがいを待つ
犬が疲れてきたら、「どうしたらいいの?」という顔で、近くにいる飼い主のほうを向いてくるはずです。その瞬間を見計らってごほうびを与えましょう。これを繰り返すことで、「目の前のご飯にがっつくよりも、飼い主の目を見たほうが簡単にごほうびが手に入る」と学習していきます。これは、「注意をご飯から飼い主に向けること」とごほうびとを結びつけるオペラント条件付けです。
◇ステップ4:マテを実践する
犬が飼い主へのおうかがいに慣れてきたら、アイコンタクトしてきた瞬間を見計らって「待て(マテ)」の指示を出しましょう。指示したとおりにじっとしていたらすかさず「いいこ」などのほめ言葉を掛けて軽く一回なでて、ごほうびを与えます。「犬がエサに気をとられる→エサを無視して飼い主にアイコンタクトする→マテを命じる→指示通りにできたらごほうび」というステップを、流れるように行ってください。5回ほど待ての復習をしたら、今度はごほうびの代わりにじらせておいたえさを「よし!」などの解除語と同時に与えます。犬は食べ物を目の前にしても、飼い主さんの目を見てじっと我慢していた方が疲れずにえさにありつくことができる!と学習していき、 自ら待ての状態を保つようになります。
◇ステップ5:リードを外して行ってみる
犬が食べ物を目の前にしても理性を保ち、待ての状態になって飼い主の指示を待てるようになったら、今度はリードをはずして行ってみましょう。動きが制限されていない状態でも同じことができたらOKです。もし飼い主を無視して再びがっつくようでしたら、もう一度ステップ3に戻って行動の強化を図りましょう。
【参考:子犬のへや】
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