8月13日の米国マーケットサマリー:株とドル上昇、米小売売上高で
8月13日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3265 1.3300 ドル/円 98.16 96.90 ユーロ/円 130.20 128.88 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,451.01 +31.33 +.2% S&P500種 1,694.16 +4.69 +.3% ナスダック総合指数 3,684.44 +14.49 +.4% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .33% +.02 米国債10年物 2.71% +.09 米国債30年物 3.76% +.07 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,320.50 -13.70 -1.03% 原油先物 (ドル/バレル) 106.53 +.42 +.40%◎NY外国為替市場
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して上昇。7月の米小売売上高が4カ月連続増加となり、9月にも金融緩和縮小が始まる可能性があるとの観測が広がったことが背景。
円はユーロに対しここ9週間で最大の値下がり。安倍晋三内閣が法人税の実効税率引き下げを検討するよう関係省庁に指示したと報じられたことが手掛かり。スウェーデン・クローナは主要16通貨の過半数に対して上昇。消費者物価指数(CPI)が予想外に前年比で上昇したことを受けた。
ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「前月の改定値も含めると今回発表の米小売売上高は予想を上回った。景気のモメンタムは好転しつつあるようだ」とし、「金融当局が9月に緩和縮小を開始する可能性はある」と続けた。
ニューヨーク時間午後2時42分現在、ブルームバーグ米ドル指数 は前日比0.6%上昇の1026.25。一時0.7%上昇と、日中ベースでは1日以降で最大の上げとなった。
ドルはユーロに対し0.3%高の1ユーロ=1.3257ドル。ドルは対円で1.4%上げて1ドル=98円25銭。一時1.5%高となった。円は対ユーロで1.1%安の1ユーロ=130円27銭。一時1.2%安まで下げた。
◎米国株式市場13日の米国株 は反発。朝方発表された米小売売上高の伸びは、米国の景気が緩やかに拡大している兆候と受け止められた。
午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1694.16で終了。ダウ工業株30種平均は31.33ドル(0.2%)上げて15451.01ドル
パイオニア・インベストメント・マネジメント(ボストン)の運用担当者、ジョン・キャリー氏は「経済ニュースの全般的な傾向はある程度前向きになってきた。これまで数日間の調整を経て、押し目を拾いに株式市場に戻ってきた投資家がいるのだろう」と述べ、「力強い回復が近く見られるかどうかは分からない。しかし景気は拡大しているようだ。そのペースは緩やかだが確実に前進している。これが結局のところ市場に受け止められたのだろう」と続けた。
米商務省が発表した7月の小売売上高(速報値)は、季節調整済みで前月比0.2%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は前月比0.3%増加だった。前月は0.6%増(速報値0.4%増)に上方修正された。
◎米国債市場米国債相場は続落。米小売売上高が4カ月連続で増加したことを受け、約1週間ぶりの大幅安となった。米金融当局が債券購入プログラムの規模縮小を開始できるほどに、経済が力強さを増しているとの見方が広がった。
10年債利回りは2日以来の水準に上昇。米商務省の発表によると、7月の小売売上高は前月比0.2%増加した。アトランタ連銀のロックハート総裁は、債券購入の縮小は今後3回の連邦公開市場委員会(FOMC)のどの会合で始まってもおかしくないと述べた。同総裁は当局による月間850億ドルの債券購入策に支持を表明してきた。次回FOMCは9月17-18日に予定されている。
クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、カルロス・プロ氏(ニューヨーク在勤)は「小売売上高はまずまずの数字で、9月の緩和縮小を阻む内容ではない」と指摘。「緩和縮小に備えたポジション調整が進むにつれ、利回りはじわじわと上昇するだろう。8月末までは2.55-2.75%のレンジを抜けないと思われる」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時40分現在、10年債利回り は10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.72%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は28/32下げて98 1/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は1週間ぶりに下落。米景気改善の兆しを背景に緩和縮小をめぐる憶測が強まったほか、ドルの上昇も金買いの後退につながった。
米商務省が発表した7月の小売売上高(速報値)は4カ月連続のプラスとなった。ドル は主要10通貨に対して1週間ぶりの高値に上昇した。アトランタ連銀のロックハート総裁は債券購入の縮小は今後3回の連邦公開市場委員会(FOMC)のどの会合で始まってもおかしくないと述べた。
ソシエテ・ジェネラルの商品調査の世界責任者、マイケル・ヘーグ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「米経済は改善の兆しを見せている」と指摘。「金価格は一段と下落する可能性がある」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比1%安の1オンス=1320.50ドルで終了した。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は3営業日続伸。米小売売上高の増加と予想を上回るドイツの景況感指数を受けて、経済成長とそれに伴うエネルギー需要拡大への期待が高まった。
7月の米小売売上高は前月比で増加し、これで4カ月連続でのプラスとなった。ZEWが発表した8月の期待指数は42.0と、前月の36.3から上昇し、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト42人の予想中央値(39.9)も上回った。リビアでは前日、国内最大の石油積み出し港が閉鎖された。
ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「米国と欧州から出てきた明るい経済ニュースが、悪材料の影響を打ち消した」と指摘。「米小売売上高は良好な数字だった。マーケットはこれに反応している」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比72セント(0.68%)高の1バレル=106.83ドルで終了した。終値ベースで2日以来の高値。
更新日時: 2013/08/14 05:25 JST