戦時中のチラシやパンフレットなどを集めた資料展「銃後の戦い−軍国の広告」が多気町の多気郷土資料館で開かれている。９月２２日まで。

　終戦記念日前後に、戦争と平和に関する展示を行っている。これまでも、戦時中の絵はがきを集めた軍事郵便展などを開催した。

　資料展では戦時中の商品広告やポスター、雑誌、新聞の広告欄や旅行案内など計１５０点を展示。鉄道会社の観光案内からは各社が国威発揚を狙い、こぞって日本神話の聖地を特集していたことや、旧満州（現中国東北部）への旅行を宣伝していた事が分かる。また貯蓄を推奨する銀行の広告、徴兵保険への加入を勧めるパンフレット、節電や国債購入を促すポスターなど貴重な資料が並ぶ。

　町教育課職員で展示の説明なども行う塩谷弘子さんは「当時は庶民の暮らしのあらゆる部分に戦争の影があった。新しい視点で考えられるのでは」と話す一方、「銃後の意味を知らない方もいる。こういった展示を継続して行い、戦争の記憶を風化させてはいけない」と語った。

　入館無料。開館は午前９時〜午後４時。月、祝日休館。問い合わせは同館（０５９８・３８・１１３２）。【永野航太】

〔三重版〕