債券は上昇、5年債入札結果順調で午後買い優勢-先物3カ月ぶり高値
8月13日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。5年利付国債の入札が順調な結果だったことを受けて午後から買い優勢の展開に転じた。先物は3カ月ぶりの高値を付けた。
東京先物市場で中心限月の9月物は前日比11銭安の143円93銭で開始し、直後に143円91銭まで下落した。その後は徐々に水準を切り上げ、午後零時45分の入札結果発表後には144円24銭と、中心限月で5月10日以来の高値を付けた。結局は10銭高の144円14銭で引けた。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.75%で開始し、午前は同水準で推移。午後に入ると水準を切り下げ、一時は0.73%と5月13日以来の低水準を付け、その後は0.735%。5年物の113回債利回りは0.5bp高い0.29%で推移していたが、入札結果発表後には0.275%に低下した。
超長期債も堅調。20年物の145回債利回りは一時1.635%と6月10日以来の低水準を付け、その後は2bp低い1.64%で推移。30年物の39回債利回りは2bp低い1.755%と6月4日以来の水準まで下げた。
財務省がこの日実施した表面利率0.3%の5年利付国債(113回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円07銭と事前予想を2銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格との差)はゼロとなり、前回の1銭から縮小。投資家需要の強さを示す応札倍率は5.51倍と昨年10月に並んで過去最高となった。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、5年債入札について、国債大量償還を踏まえた需要に加えて、5年ゾーンは10年債対比での割高が解消したと分析していた。
東京株式相場は大幅反発し、TOPIX は前日比2%高の1157.15で引けた。東京外国為替市場で円は対ドルで下落。4営業日ぶりに1ドル=97円台前半から半ばで取引された。
法人税減税安倍晋三首相は法人税の実効税率の引き下げを検討するよう関係府省に指示した、と13日付の日本経済新聞は報じた。来年4月から消費増税を決めた場合、法人税の引き下げ方針を併せて打ち出し、景気の腰折れ懸念を払しょくする狙いとしている。
野村証券の松沢中チーフ金利ストラテジストは、法人減税は税引き利益を直接押し上げる効果があることや海外から日本への投資を呼び込む誘因にもなるので、株式投資家の間では最も好まれやすい政策と指摘。「成長重視派が優勢に事を運んでおり、株式にポジティブ、債券にネガティブ」だと分析した。
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更新日時: 2013/08/13 15:36 JST