私立箕面自由学園高校（大阪府豊中市）でアメリカンフットボール部の３年生男子部員（１７）が練習試合中に熱中症で倒れ、２日後に死亡した事故を受け、同校の吉田忍校長らが１２日午後、記者会見を開いた。吉田校長は「暑さへの対策はしていたが、無念」と述べた。

　富田秀司監督らによると、当日は練習試合の相手方と、試合時間が５分経過するごとに水分をとる▽気温や選手の様子を見て後半の時間を短縮する−−などの取り決めをしていた。男子部員は先発出場して終了間際に倒れたという。

　日本アメリカンフットボール協会安全対策委員会が加盟団体に示している合意事項では、７月２０日〜８月２０日の正午〜午後３時で気温３０度以上の時は練習を自粛するよう定め、他の期間でも高温多湿の時間帯の練習を避けるよう求めている。合意事項は同校も把握していたという。富田監督は「（合意事項で）示されている時間帯ではなく、暑さ対策の取り決めもしていた。しかし、重い防具を身につけていることなどを考えると、判断が甘かった」と話した。

　同部は今後、指導者の１人を選手の体調管理に専念させるなどの対応をとる。現在、練習を休止しているが、男子部員の遺族や部の保護者会は９月に始まる３年生最後の大会に向け再開を求めているという。【田辺佑介】