岡山市のＮＰＯ法人・公共の交通ラクダ（ＲＡＣＤＡ）は、同市中心部など県南部で進めるべき交通政策を示した冊子を作った。ＪＲ吉備線のＬＲＴ（次世代型路面電車）化を軸に、使いやすく、環境に優しい交通のあり方を提案している。

　冊子では、ＬＲＴ化をはじめ、路面電車の環状化とＪＲ岡山駅前広場までの延伸▽情報技術を駆使して効率的に運行する「スマートバス」▽県庁通りのトランジットモール（公共交通と歩行者の空間）化―などを実施するメリットを文書やイラスト、図を使って解説。同市中心部の渋滞緩和、まちなかのにぎわい創出、環境問題の解決につながるとした。

　ラクダが作った公共交通を賢く利用するためのマップ、７月下旬に同市中心部でスタートした「コミュニティーサイクル」をはじめ同市が掲げる「自転車先進都市」の実行戦略なども紹介している。

　ＬＲＴ化などのメリットを多くの人に知ってもらい、持続可能な公共交通体系の構築に向けた動きを進めていくのが狙い。岡将男会長は「いずれも制度設計はできており、岡山なら実現可能。人と環境に優しい交通政策を岡山から全国に発信していくべき」と訴えている。