チャンココ (福江市) |
南方系の民俗的な踊り 「チャンチャン ココ ココ チャン ココ」。毎年、旧盆の八月十三日から十五日にかけ、鉦(かね)の音と太鼓の音が福江市内に響きわたる。 チャンココは、古い念仏踊りの一種である。これに似た踊りは同市内の上大津、下大津を中心に富江町、玉之浦町、三井楽町の嵯峨島などに伝わっている。 太鼓を首にかけるのは共通しているが、奏楽、歌詞、衣装などは各地区によって多少異なっている。福江市内のチャンココは鉦、太鼓に和して、掛(踊り子)たちが円陣をつくり、帷子(かたびら)を着てビローの葉(または蒲の葉)でつくった腰みのを付け、花笠をかぶって、首の太鼓をたたきながら踊る。その様相は、どことなく南方系の民俗的な踊りをほうふつとさせる。 道順としては、五島家ゆかりの所から新盆の家、墓、三年以内に亡くなった人の家を回るのが一般的である。 起源は不明。五島家始祖・宇久家盛が宇久島で継承した時すでに、島の住民の間で踊られていた盆念仏を見たという記録があるので、古くから、踊られていたものと思われる。 一説には寛永十一年(1634)、宇久島の東光寺が焼失した際、焼死した住職順堯和尚の怨霊を鎮めるため踊りが始まったともいわれる。 チャンココは先祖の御霊を鎮め、人々の心を清めてくれる。その歌と踊りは人々の心を清め、五島の海に哀愁をおび響きわたっていく。 (松崎 義治) |
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昭和29年、県指定無形民俗文化財となる。 |