仙台市:生活保護審査を一時拒否 不服書類受け取らず
毎日新聞 2013年08月13日 07時00分
仙台市で生活保護を受給する女性が、8月に始まった保護費の切り下げに不服を申し立てる「審査請求」をしようとしたところ、市の窓口で書類の受け取りを一時拒否されていたことが分かった。行政不服審査法は生活保護費を支給している自治体を通じても手続きができると定めており、厚生労働省は9日付で法の趣旨を周知徹底するよう都道府県などに通知した。
女性を支援する生活保護問題対策全国会議の代表幹事、尾藤広喜弁護士によると、女性は7日午前、同市青葉区の窓口で、市担当者から「県でないと受け付けられない」などと審査請求の書類受け取りを拒否された。女性から連絡を受けた尾藤氏が電話で「市にも提出できる」と説明したが、市側は同様の対応を繰り返した。尾藤氏が断続的に電話で説得した末、書類は約2時間後に受理されたという。
尾藤氏は「(生活保護の申請を門前払いする)『水際作戦』さながらだ。手続きをさせたくないとの意図が透ける」と市の対応を批判。仙台市の石澤健社会課長は「認識が甘かった。今後は適切な対応を心がける」と話した。【遠藤拓】