今週も、相棒が終わりました〜。 ああ、傷ついた心に貴重な癒しのひと時(笑)。 って、殺人事件のドラマで癒される私って。 今日も、先週に引き続きとても面白かったです。 今日は、社会派でありながらも、神戸君がちょっと巻き込まれてしまったために、コミカルなシーンも多かったですね。 テーマは重かったですが。 タイトルは、『SPY』。 別のタイトルをつけるのだとしたら、『神戸君の受難』と言いたくなる回でした(笑)。 殺人事件自体は、普通の痴情のもつれですね。 ただし、どちらも相手をきちんと想っているという、切ない背景の下のもつれ。 水木さんの気持ちは分からなくもないですが、警察官としてそこで殺してしまうというのはやはりどうなんだろうと思います。 それだけ、彼女への想いとスパイとしての立場への嫌気と、色々なことで煮詰まってしまって、一時的に正常な精神状態ではなくなってしまったのかもしれませんが。 同時に、彼女も、相手を想ってその恋愛どころか自らの生すら諦めるくらいならば、心配しているという気持ちをぶつけるべきでしたよね。 だって、結局自分を殺してしまったらそれこそ水木さんの身の破滅。 全く彼のためにならないではないですか。 まあ、そこをコントロールできないからこそ事件が発生するものなのでしょうけれど。 誰もが爆発する感情をコントロールできるのならば、そもそも突発的な事件など起こりませんしね。 さて。 今回は、登場人物が少なかったため、犯人が水木さんであるだろうことは彼が右京さんと会った時点で見当がつきました。 やっぱり、電話がポイントですね。 それだけで犯人として観るのは弱い部分はありましたが、神戸君が犯人ではないという前提でドラマを観ると、他に怪しい行動をとった可能性のある登場人物がほとんどいなかったんだもの(^_^;) でも、犯人が彼と仮定しても、今回はその背景が全く読めませんでした。 恋愛感情があったと考えると確かにしっくりきましたが、いかぞにはそのヒントが見つけられなくて。 加えてあのデータが曲者でしたね・・・ あれを今回の事件に関係があると考えると、動機も背景も読みづらいこと。 なぜなら、データ関連でも、スパイ関連でも、諍いを動機とするならば、彼女は殺される時に抵抗したはずだからです。 抵抗しなかった理由を考えれば、何らかの方法で意識がない以外は、彼女自身に死ぬつもりがあったからだとしか考えられませんから。 もっとも、ペアウォッチに気づいた人なら、動機から全て結構早くに分かったのかな? それにしても、見始めて、『なんだ〜、スパイって、神戸君以外の話か〜』と思いましたが。 何気に、間接的に彼のこともしっかり描かれましたね。 「哀れですねぇ・・・Sというのは。」と話す右京さんの後ろで、動揺した表情をする神戸君がよかったです。 「僕はSなんかじゃありません。」と言う時の笑顔が少し強張っていたのも、神戸君の内心が見られたような感じがしました。 調査対象本人と監察官の前で、Sだろうと追求されても、そりゃ動揺するだけでなにも答えられませんわね(^_^;) でも、ここで『庁内S』というものは珍しくない(現実にどうかは知りませんが、少なくともこの相棒の世界で)という設定を遠まわしに視聴者に印象付けることができたことで、神戸君の立場に重みを持たせることが出来たように思います。 来年以降も神戸君が特命係に残るのだとしたら、今まで描かれた彼の性格と背景からして、ただ単に『杉下右京に同調して残ることを選んだ』というのでは安っぽい話になってしまいますから。 第一、人事は彼自身に選べませんし。 もっと何かしら複雑なストーリーを作るのだとしたら、それまでに彼の今の『スパイ』という立場の定義を明確にしておくのは必要なことであったと思います。 いかぞとしては、今回のスパイ結果から、来シーズンあたりから特命係が格上げされるといいな、なんて思うのですけれど。 『相棒』が小野田さんが定年するまででシーズンをつくると考えると。 年齢的にそうそう5年も10年もないでしょうし、あと2〜3と考えた時、捜査権限の与えられた特命係というのも面白いかなと。 そうすると、おそらく定年までに出来る限りの膿を出しかつなにかしら自分の考え方が下に残るようにしたいであろう小野田さんにとって、右京さんがさらに使いやすい立場になるのではないかな〜と。 元々、小野田さんは右京さんを、特命係に置いておきたくはなかったと思うのですよね。 Season1時点で、あの事件が起きたのは15年前。 でも、右京さんと小野田さんがSeason1で会ったのは、『10年ぶり』なんですよ。 つまり、10年前にも会っている。 2〜3年ほど『閑職』でほとぼりが冷めるのを待たされた小野田さんは、その後出世コースに戻り、おそらく10年前の時点で、多少なり人事に口を出せる程度の立場になったのではないかなと思うのです。 その時点で、右京さんに警察庁のなんらかのポストにつけるように話を進めるつもりで、彼と接触してきたのではないかなぁと。 そもそも、右京さんはあの事件で指揮官であったわけではないですし、組織自体も非公式なものでありかつ、マスコミにもほとんどの情報が流れていませんでした。 小野田さんが出世コースに戻されても問題にならなかったくらいなのに、右京さん1人が戻ったところで特に問題も起こらなかったと思うのですよね。 亀山君曰くの『1人詰め腹を切らされた』ということ自体の必要性がさほど感じられないのです。 彼を有能だと考えている上がいるのであれば尚更です。 ではなぜ彼は特命係に残ったのか。 それは、右京さん自身が小野田さんの提案を断ったからなのではないでしょうか。 おそらく、彼と小野田さんは、旧知の仲です。 警察庁に入る前からかどうかは分かりませんが、「10年ぶりに飲むか」と言うほどそれ以前には何度も共に飲んだことがあり、かつスキャンダルご法度の警察組織の中で、愛人の話までできる間柄なんですから。 小野田さんが緊急対策特命係に右京さんを呼んだこと自体、15年前の時点で小野田さんが彼の能力を存分に知っていたことを表していますし。 その相手に右京さんは裏切られたように感じたでしょうし、何より彼自身、事件に対して持った罪悪感が大きかった。 それは、キリスト教徒ではなさそうであるのに事件後に告解をしていることからも明らかです(亀山君も、『16年前』と聞いてはっとしていましたしね)。 さらに言えば、Season2の時点で彼が通い慣れた主治医がいるほどに睡眠障害を繰り返しているらしきことも、事件によって心に深い傷を負ったであろうことが読み取れます。 右京さんは命を大切にする人ですから、どうしても可能性を考えてしまうと思うのですよね。 あの時点で、彼は「できない」と相手の要望を完全に拒否したために、作戦参謀の立場から下ろされてしまった。 結局は、『安全な突入方法』を考える役割からもはずされたわけです。 どうあってもすぐに突入することになったならば、彼が参謀として突入作戦を考えていれば、多少なり結果は違ったのか? そう考えると、小野田さんの行動が許せないと同時に、自分の行動も許せなかったのではないのかなと思うのですよね。 小野田さんも、右京さんたちには殺されてもいいと思うほどの罪悪感を彼に対して持っていました。 だから多分、しばらく右京さんを放っておくことにしたのではないかと思うのです。 公として積極的に警察組織に関わろうとしていない限り、彼から見える右京さんはおそらく私の右京さんですから。 『お前の願いなら大概は聞くよ』というのも、私の右京さんには償うつもりがあるという心情そのままなのでしょう。 しかし、亀山君が配属されて、それまではおそらく影で少し他の部署の手助けをしていた程度だった彼が、公としての顔の見える形で動き始めた。 しかも、10年ぶりに自分に連絡をとってくるほどの形で。 だからこそ小野田さんは、もう公としての右京さんを使うことを考えてもいい頃だと判断したのではないかなぁと思うのですよ。 加えて、北条閣下の事件を経て、右京さんの中にあった傷は多少なり癒されたでしょう。 傷が癒えた使える人間を遊ばせておくほど、小野田さんは甘い人間ではないと思うのですよね。 Season1では、強権発動するまでは『謎が発生しているんだよ〜』という遠まわしな誘い方に徹していた小野田さんが、Season2からは堂々と『お願い』し始めたのは、だからではないかなと。 ましてや、右京さんは私の立場での償いなど望んでいないし受け取らない。 だからこそ、彼は堂々と右京さんに命令できるし利用できるのでしょうね。 さて、もし『特命係が認められる』パターンだとしたら、神戸君はどうなるのでしょう。 半年後にあたるこの春に神戸君は警察庁に戻っていき、再編された特命係に『杉下とそこそこうまく付き合えたから』とか言われて正式に送り込まれてしまうとか? 一応、上手く付き合っているほうでは・・・あるとは思うのですが、どうだろう(笑)。 まあなんにせよ、神戸君がこれから残るとするのならば、説得力のあるバックグラウンドを作ってもらいたいですね。 ところで。 今回大河内さんが熱かったですね〜。 彼はまだ、日本版CIA構想を進めているのでしょうか。 今考えると、Season7初めで特命係に厳しくしたのは、警察庁の方から圧力があったためではないかな、と思います。 上にとって特命係の価値を見極めたいと思っていたのは亀山君がいるいないに関係なかったのですから(これまで特に特命係が活躍したのが彼が入ってからだとしたら、尚更彼がいる段階で調査したかったはず)、亀山君の後釜として神戸君を送り込んだというよりは、元々何らかの形で彼らを調査しようと考えていたはずです。 その時点で『3人目を送り込む』ことを決定していなかったとして、例えば監察官に特命係についての報告書を提出させるとか、裏で色々動いていたのではないかと思うのですよね。 大河内さんからすれば、何故だか分からないが彼らについて報告するよう話が来たとすれば、Season3の時に右京さんについて亀山君に警告したように、動きが収まるまでしばらく特命係を大人しくさせるために周り(ともちろん本人たち)をけん制しようとしていたとか・・・そもそもが、神戸君がくることへの伏線だったのではないかな、と。 だからこそ、神戸君が配属された後に上の動きが収まったように見えたので、大河内さんも普通に戻ったのかな・・・なんて。 でも、彼も色々とカードを出して上手く切り抜けているようで、小野田さんよりも穴があって危なっかしい動き方をしているように思えます。 小野田さんと違い、微妙に『清濁併せ呑む』ことができないような。 小野田さんの、『(杉下をうまく使うのは)君には無理だよ』もそのあたりにある気がします。 その小野田さん。 今回は出てもおかしくなさそうなストーリーでありながら、ゴルフに行っちゃいましたか(笑)。 まあ出たとしても、神戸君のことを聞かれたところで「さあ。なんのこと?」で終わっちゃったと思いますが。 ところで、今回は伊丹さん&芹沢君あたりとのからみが面白かったですね〜。 殺害方法を「教えない」と言う伊丹さんの言葉と同時に教えている芹沢君に笑いました。 でも、同時過ぎていかぞには聞き取れなかったよ!! よく聞き取れたな、右京さん・・・聖徳太子か?? それに、事情聴取。 「・・・取り調べられてきます。」 「ごゆっくり。」 は笑えましたね。 なぜ神戸君、そんなキョトン顔(笑)。 亀山君は、壁に掴まりグダグダごねて、右京さんに邪険にされつつ引きずられていったのになぁ・・・自分がやっていないのだから何も怖くないよ〜という結果の表情なら、やっぱり天然ですわ、アナタ。 「ほら、不在着信でしょ」の時に、右京さんが軽く笑んだのは何故なんでしょう。 『受け答えが冷静ですし、疚しいところがあるわけではなさそうですね』という感じでしょうか? それにしても伊丹さん、わざわざ声を変えて女性風に言うことないじゃん! 芹沢君も、そんな冷静に「ホステスの証言の再現です。」って・・・ 慣れてるのか?よくあることなのか?? しかも、『かんべそん』って(笑)。 もう半年以上経つのに名前覚えていないんか・・・ 最後に。 久々のレポート文(今回はパソコンディスプレイではなかった)でしたが。 神戸君、『要警戒』って・・・とっくに身分を怪しまれていると思うなぁ。 今回、右京さんのところ以前に、警視庁の監察官すら神戸君の降格理由を手に入れられないという事実もばれてしまいましたしね〜。 というわけで、かなり笑えつつ、色々と深いもののある今日のお話でした。 それではまた。 |
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