基準値以下の水の放出も検討8月8日 19時8分
東京電力福島第一原子力発電所で、汚染された地下水が海に流出している問題を受けて、茂木経済産業大臣は、国の有識者会議で、汚染される前の地下水をくみ上げて海に放出する対策を、来月中をめどに取りまとめるよう指示しました。
この対策については、ことし5月にも福島県の漁業者に示されましたが、同意が得られておらず、結論が先送りされています。
福島第一原発では、事故から2年5か月近くがたった今も汚染水が海に流出していることが明らかになり、東京電力が、護岸沿いを固めるなどの流出防止対策を進めていますが、山側から大量の地下水が流れ込むことによって、汚染水が増え続けていて、抜本的な対策が求められています。
8日、汚染水の問題を検討する国の有識者会議が開かれ、茂木経済産業大臣は、汚染水を減らすために、原子炉建屋の山側で汚染される前の地下水をくみ上げることや、海への流出を防ぐ地中の壁を設置することについて、具体的な方法を検討するよう指示しました。
そのうえで、「くみ上げた基準値以下の水の海への放出の可能性を含め、今後の進め方を検討してほしい」と述べ、建屋の山側や、地下水を集める施設からくみ上げた放射性物質の濃度が法令の基準以下の水を海に放出する対策を、来月中をめどに取りまとめるよう指示しました。
敷地に流れ込む前に地下水をくみ上げて海に放出する対策について、東京電力は、ことし5月、福島県の漁業者に説明しましたが、「地下水と汚染水の違いについて区別がついていない」などとして同意が得られず、結論が先送りされています。
[関連ニュース] 自動検索 |
・ 汚染前の地下水放出など対策へ (8月9日 5時4分) |
[関連リンク] |
|