関電の企業向け電気料金は、家庭向けに先行し、1日から値上げが始まった。
「年間4千万円は電気代があがる。利益の大半がふっとぶ」。大阪市此花区の冷蔵倉庫会社「フリゴ」の西願(さいがん)廣行社長は頭が痛い。
「ぎりぎりまで節電に取り組んできた」と言う。同社が多く扱うイモや枝豆などの輸入冷凍野菜。倉庫内はつねにマイナス20度以下に保たねばならない。しかし、昼間は冷凍装置を止めている。夜間に商品をめいっぱい冷やし込み、昼間はその冷気でしのぐ工夫だ。
ピーク時の電力使用量を抑えたい関電側の要望もあり、業界ではこうした省エネ策を進めてきた。しかし、今回の値上げは昼夜関係なく現行料金に1キロワット時当たり2円余りを一律上乗せする。夜間電力は安かった分、値上げ率は30%ほどになる。
「上手に節電してきた会社ほど影響が大きい。電力は社会基盤をになう基幹産業。守られているのはわかるが、我々とどこまで痛みを分け合っているか」と西願社長は話す。