今回は、3.11を的中して有名になった松原照子氏が25年以上前に予言していた、あまり知られていない巨大災害などについて紹介したい。
先日の「恐怖の男・安倍氏」の記事は、ネット上でかなり話題になったようで、いくつかの人気ブログでも取り上げていただき、また記事のソースである松原照子著『宇宙からの大予言−迫り来る今世紀最大の恐怖にそなえよ』(現代書林)は、この記事の影響でAmazonの古書がすべて売り切れたようだ。
本書に書かれている多くの予言のうち、特に日本以外の国々の情勢などについての予言で、的中しているものが多いようだ。そのうちのいくつかを紹介する。
■ギリシャ:「借入が大きく膨れ、第二のメキシコになるのも遠くありません」
→1982年に債務危機を迎えたメキシコに匹敵するような事態がギリシャでも起きるだろうという予言だ。そして実際に、2010年にギリシャの財政状況の悪化が表面化し、経済危機が報じられたのは記憶に新しい。20年以上先の未来を的確に世見していたことになる。
■アルゼンチン:「近々、この国は不渡りを出します」
→1989年に、500%のハイパーインフレと累積債務により、財政破綻が生じた。
■パラグアイ:「大きく旗上げしないと、過激派的な動きが出てきます。1986年の秋口から、地下組織のようなものが動き始めます」
→1989年、独裁者として君臨していたストロエスネル大統領の腹心ロドリゲス将軍が、突如として軍事クーデターを起こし、独裁政権が崩壊した。
■ペルー:「戦争に巻き込まれていきます」
→1995年、エクアドルとの間でセネパ紛争が起き、ペルーは敗北した。
■1993〜1994年:「皆こわいんじゃないかな。食べものもなくなるし」
→1993年は日本で記録的な冷夏による不作で、米騒動も起き、タイ米が大量に輸入されたりした。この影響は1994年前半まで続いたので、ピッタリ当てはまるだろう。
こうして見ていくと、1987年の本書刊行後の数年後に予言が現実のものとなったケースが少なくないようだ。松原氏は、国際問題に特に強いと言えるかもしれない。
【これから起こる可能性のある予言】
次に、まだ現実になっていないと思われる予言を紹介していくことにする。これらの「世見」は、25年以上も経過していて対応する出来事が起きていないのだから、「ハズレた」とすべきか、または時期はずれるが今後起きる可能性があると捉えるのか、判断が難しいものもある。
「◯年以内に」などと期日をしている予言については、明確にハズレとするのが妥当だろうが、時期が予測よりも延びて起きるものも、中にはあるのかもしれない。
■2009年〜2011年:「大阪、堺あたりを中心に、大地震が起きます」
すでに期間が過ぎてしまっているが、堺市には上町(うえまち)断層帯という活断層が通っていて、9年前の評価では、「30年以内にM7.5の地震が発生する確率が2%〜3%」とされていた。これは国内の主要な活断層の中では、比較的高い確率のグループに属するものだ。もっとも、堺市といえば1995年に発生した阪神淡路大震災の震源から40Kmほど東にある。少し、時期と震源はズレているが、実は神戸地震のことだったとする解釈もありだろうか。
■北朝鮮の予言:「日本は、今後日本海の海底を黒い船が動き回っているのをレーダーでキャッチできるでしょう」
海底の船といえば、もちろん潜水艦のことで、北朝鮮では数種類の潜水艦を保有しているが、黒っぽい色をしたものが多い。これに関連しているかもしれないが、日本に関する予言で、「日本は、海底からのミサイル誘導通信基地化され、ひとつ間違えば、やられる運命にあります」というのもある。
もっとも、松原氏は『女性自身』(光文社)2013年2月26日号のインタビューで、北朝鮮は2015年までに崩壊するだろうと感じていると語っているので、これが現実化するならば、この国の脅威はあまり心配しなくても良いかもしれない。
■領海問題:「いまよりさらに厳しくなります」
竹島や尖閣諸島の問題で、たしかに厳しくなっているだろう。
■「魔の水曜日」
これは、以前の松原氏の記事でも簡単に触れたものだ。これは本書で書かれた予言の中で最も恐ろしいものであり、現実化すれば日本の将来が危ぶまれる大惨事となる。
一連の大災害の発端となるのは、伊豆半島付近で発生するM6級の地震で、その1週間以内くらいには、「日本列島切断」が起きるという。その大災害を引き起こす地震は、伊豆半島から少し西寄りというから、東海を震源とする南海トラフ地震のことのようだ。だが、それだけでは終わらず、「伊豆半島から日本海へ向けて亀裂が」走り、本州が切断されるという巨大地震になる。この亀裂が走るのは、駿河湾−富士山の脇−山梨県−八ヶ岳−白馬山−黒部川または糸魚川−富山湾というルートだというから、これは糸魚川−静岡構造線と呼ばれる大断層線(以降「糸静線」とする)に沿って起きる地震のようだ。
この巨大地震は、高さ80m〜120mという途方もなく大きな津波を伴い、海辺に打ち上げられる死体の数は一万や二万では済まないという。一体、そんな荒唐無稽なことが現実に起きるのだろうかと思われるだろうが、糸静線では、約千年毎にM8程度の大地震が発生していて、今後も数百年以内にM7.5〜M8.5級の地震が発生する可能性が高いとされている。
さらに、石橋克彦神戸大学名誉教授は、2011年12月16日の日本記者クラブ主催の記者会見で、東日本大震災の影響により、南海トラフ地震と糸静線が連動して、さらに巨大な地震となる可能性も考えておいた方が良いと語っている。1987年の本書の出版当時、松原氏は恐らく、糸魚川―静岡構造線の名称も聞いたことがなかったのではないかと思われるが、そういう人が、科学者も可能性を認める大災害を予言しているのだから、それほど荒唐無稽な予言でもないかもしれない。読者の不安を更に煽るようになってしまうかもしれないが、じつは南海トラフ地震の発生によって原発事故が危惧される浜岡原発のすぐ近くには、この糸静線が走っているのだ。南海トラフ地震が単独で起きた時でさえ、浜岡原発の事故が不安視されているのに、糸静線が連動したら、原発事故が起きる確率が更に高まってしまうだろう。巨大地震+巨大津波+原発事故となれば、死傷者数は途方もない数になってしまうかもしれない。
「魔の水曜日」とは、どうもこの連動する巨大地震が起きる日のことと思われ、カレンダーの日付が赤くなっているのが見えるというから、祝日なのだろう。松原氏は、今年になってからのブログ記事でも、この「魔の水曜日」について言及していて、少なくとも松原氏は「ハズレて、もう起きない予言」とは思っていないようだ。この大災害が起きる前には、以下の様な予兆があるという。
・伊豆の山々が紅葉しない。
・貝の移動(アサリなどが不漁になるという意味)
・富士五湖周辺の2つの湖の水位が低下。
過去の記事で書いたが、松原氏の南海トラフ地震の世見について、この地震が2016年か2017年に起きる可能性があると筆者は解釈している。そして富士山などの火山も、それに前後して噴火する可能性もあると。だが、不幸中の幸いというべきか、こんな酷い大災害が起きても日本は終わりにならないようだ。というのも、「日本列島が安定するのは、83年後(西暦2069年)」であると書いているからだ。
もっとずっと未来のことについては、「2500年頃、日本列島は、弓形からまっすぐになり、朝鮮半島から離れます」とある。これはもちろん、大規模な地殻変動の結果だろうが、その頃までに日本または世界が滅びているかどうかについては、書かれていない。
以上、予言はあくまでも予言で、現実のものとなるかどうかわからないが、数々の予言を的中してきた人が世見していることして無視できないので、紹介した。
(百瀬直也)
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