◇WBC世界バンタム級タイトルマッチ
王座を防衛し、ファンの声援に応える山中=大田区総合体育館
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日本の3人の侍が世界を相手に圧倒的な強さを見せつけた。バンタム級は山中慎介(30)=帝拳=が同級8位ホセ・ニエベス(32)=プエルトリコ=に1回2分40秒のKO勝ちで4度目の防衛に成功。リングサイドで観戦していたWBO同級王者亀田和毅に統一戦を呼び掛けた。フライ級では八重樫東(30)=大橋=が同級10位オスカル・ブランケット(28)=メキシコ=に3−0の判定勝ちで初防衛に成功。また、長谷川穂積(32)=真正=も世界前哨戦に快勝し、年内の3階級制覇挑戦がほぼ確実になった。
わずか160秒の幕切れ。神業のような一撃でケリをつけた山中は、わびるように四方に頭を下げた。
「みなさん、早く終わってすみません。生意気なようですが、ボクももう少しやりたかったのですが…」
ここまで言うと、冗談交じりに「金、返せー」とヤジが飛び、会場内は大爆笑に包まれた。
ゴングと同時に勝負は見えた。挑戦者は最初から腰が引けていた。ヘビににらまれたカエル状態。左ボディーで戦意を喪失。さらに左ストレートを鼻っ柱に食うと、後ずさりしてダウン。そのまま10カウントを聞いた。
またしても、泣く子も黙る「神の左」だった。実際、山中の左は相当、痛いらしい。日ごろミットで山中のパンチを受けている大和心トレーナーは「以前は手のひらを針で刺されたような痛みだった。最近はアイスピックで刺されたような痛みが走る」と苦笑する。「ミットで受けると激痛の走る左も、顔面で受けたら意識を飛ばす左ですから」と付け加えたが、ニエベスは意識が飛ぶ前にアイスピックで刺されたような痛みでギブアップしたように見えた。
リングサイドにはWBO同級王座に就いたばかりの亀田和毅がいた。山中はリング上から「バンタム級最強を示したい。和毅クン、ぜひ統一戦をやりましょう」と呼び掛けた。しかし、試合後の会見では「(テレビリポーターに)質問されたから答えただけ。WBAにもIBFにも興味がある」と本音をポロリ。だが、ここまで機運が盛り上がれば、山中−和毅戦は早かれ遅かれ実現する可能性が大だ。 (竹下陽二)
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