8月12日の米国マーケットサマリー:円と株は下落
8月12日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3304 1.3342 ドル/円 96.81 96.21 ユーロ/円 128.78 128.39 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,419.75 -5.76 .0% S&P500種 1,689.47 -1.95 -.1% ナスダック総合指数 3,669.95 +9.84 +.3% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .30% +.00 米国債10年物 2.61% +.03 米国債30年物 3.68% +.04 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,334.20 +22.00 +1.68% 原油先物 (ドル/バレル) 106.19 +.22 +.21%◎NY外国為替市場
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要16通貨の過半数に対して上昇。13日発表される7月の小売売上高では4カ月連続での増加が見込まれており、金融当局の緩和策縮小を支持する内容となりそうだ。
円はドルに対しここ1週間で最大の値下がり。日本の実質国内総生産(GDP)の成長率が市場予想を下回ったことで、成長押し上げのため追加の金融緩和が必要になるとの観測が強まった。ブルームバーグ米ドル指数 は7営業日ぶりに上昇。南アフリカ・ランドは下落。株式相場の値下がりで、高利回り資産の需要が後退した。
ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ラビ・バラドワジ氏(ワシントン在勤)は電話取材で、「先行き期待がドルの大幅上昇に寄与していることは確実だ」と指摘。「市場参加者は現在、経済指標に極めて敏感になっている。よって実際の数字が投資家の予想から外れた場合はドルへの強い反応が見込まれる。また利益確定の動きも若干見られる」と述べた。
ニューヨーク時間午後2時23分現在、ブルームバーグ米ドル指数 は前週末比0.3%上昇の1020.19。一時0.4%高と、日中ベースでは1日以降で最大の上げとなった。
ドルはユーロに対し0.3%高の1ユーロ=1.3307ドル。対円では0.4%上げて1ドル=96円59銭。一時0.7%高と1日以降で最大の上昇率となった。円は対ユーロで0.1%下げて1ユーロ=128円49銭。
◎米国株式市場12日の米国株 は下落。日本の経済成長が減速したほか、この日は投資家が13日発表される米小売売上高を待って様子見姿勢を強めた。
午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数 は前営業日比0.1%安の1689.47。ダウ工業株30種平均は5.83ドル(0.1%未満)下げて15419.68ドル。
ブリン・マウワー・トラストの株式調査ディレクター、ジョー・コスティガン氏は、「経済成長率はいら立たしいほど低い。それが不自然なほど低水準にある金利水準によって相殺されている」と述べ、「この状態が続く限りは相場は少なくとも9月に入るまでは変動がないだろう。つまり出来高も低く、あまり確信のない動きとなるだろう」と指摘した。
S&P500種は先週1.1%下落した。これは7週ぶりの大幅安。ダウ平均は週間ベースで1.5%値下がりした。景気の拡大に伴い米金融当局が年内に債券購入を縮小するとの見方が広がっている。
◎米国債市場米国債市場では10年債が4営業日ぶりに下落。13日に発表される7月の米小売売上高は4カ月連続での増加と予想されている。
トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り差(ブレークイーブンレート)は、10週ぶりの高水準に接近。今週発表の7月消費者物価指数(CPI)は上昇が予想されている。期間10年以上の米国債の過去1年におけるパフォーマンスは世界の国債市場の中で最悪となっている。
ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「データはこれまでのところ、経済が改善しつつあるという事実を示してきた」と指摘。「ここでわざわざリスクを取り(米国債を買い)たいとは考えないだろう」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時58分現在、10年債利回り は2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.60%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は6/32下げて99 3/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は4営業日続伸。過去4週間で最長の連続高となった。中国での需要急増が買い手掛かり。同国は金輸入でインドに次いで世界2位。
中国黄金協会(CGA)が9日発表した同国内の今年1-6月の金消費量は前年同期比54%増加の706.4トンだった。延べ棒の需要が87%、宝飾品は44%それぞれ増えた。
T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポートセントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「特に中国での現物買いが引き続き相場を支えている」と指摘。「きょうは強気なセンチメントが広がっている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前週末比1.7%高の1オンス=1334.20ドルで終了。一時は1343.70ドルと、中心限月としては7月24日以来の高値をつけた。4日続伸は7月11日以来の最長。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は上昇。北海油田での生産障害とリビア最大の石油積み出し港閉鎖を材料に、ブレント原油につれ高となった。
英BP広報担当者によると、同社が北海エコフィスク油田で運営するプラットフォームでコンプレッサーが故障し、生産が減少した。リビアは11日に操業を再開した石油積み出し港、エス・シデル港をこの日、再度閉鎖した。原油価格はこれより前、日本の4-6月(第2四半期)国内総生産(GDP)が2.6%成長に減速したことを受け、105.03ドルまで下げていた。
アイアイトレーダー・ドット・コムの市場担当シニアストラテジスト、ビル・バルーク氏(シカゴ在勤)は「北海とリビアで供給に問題が生じた」と指摘。「105ドルの主要支持線を試す展開だったが、戻しつつある」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前週末比14セント(0.13%)高の1バレル=106.11ドルで終了。
更新日時: 2013/08/13 05:50 JST