米国株:下落、日本のGDPを嫌気-小売売上高を控え様子見
8月12日(ブルームバーグ):12日の米国株 は下落。日本の経済成長が減速が弱材料視されたほか、米小売売上高統計の発表を翌日に控えて投資家は様子見姿勢を強めた。
電気自動車メーカー、テスラ・モーターズは3.7%下落。ラザード・キャピタル・マーケッツが株式投資判断を引き下げたことが嫌気された。食品・関連製品の供給会社シスコは決算内容が売り材料とされ下落した。一方、アップルは上昇。韓国サムスン電子との特許紛争でアップルが勝訴したことが買い手掛かりとなった。スマートフォン(多機能携帯電話)メーカー、ブラックベリーは急伸。同社は戦略的な選択肢を模索しており、身売りの可能性もあることを明らかにした。
S&P500種株価指数 は前営業日比0.1%安の1689.47。ダウ工業株30種平均は5.83ドル(0.1%未満)下げて15419.68ドル。
ブリン・マウワー・トラストの株式調査ディレクター、ジョー・コスティガン氏は、「経済成長率はいら立たしいほど低い。それが不自然なほど低水準にある金利水準によって相殺されている」と述べ、「この状態が続く限りは相場は少なくとも9月に入るまでは変動がないだろう。つまり出来高も低く、あまり自信のない動きとなるだろう」と指摘した。
S&P500種は先週1.1%下落した。これは7週ぶりの大幅安。ダウ平均は週間ベースで1.5%値下がりした。景気の拡大に伴い米金融当局が年内に債券購入を縮小するとの見方が広がっている。
S&P500種のPERS&P500種は年初から18%上昇。8月2日は最高値の1709.67で取引を終えた。同指数の株価収益率(PER、実績ベース)は15.3倍で推移。今年最初の取引は同13.1倍だった。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、第2四半期の決算を発表した450社のうち72%で利益が予想を上回った。
米商務省が13日発表する7月の米小売売上高は前月比で0.3%増が見込まれている。
日本の4-6月期の実質国内総生産(GDP )速報値は、前期比年率で2.6%増と前四半期から伸びが減速した。ルームバーグ・ニュースによる事前調査の予想中央値は3.6%増だった。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は4.5%低下の12.81。VIXは今年6月に年初来のピークをつけて以来、37%低下した。
シスコは下落、アップル上昇S&P500種産業別10指数のうち7指数 が下げた。特に公益事業株やエネルギー株が売られた。
シスコは5.8%下落。同社は2015年度の利益予想は達成できないとの見通しを示した。低調なレストランの客足が利益を損ねた。
一方アップルは2.8%高。米国際貿易委員会(ITC)は9日、韓国サムスン電子の一部製品が米アップルが持つマルチタッチ機能とヘッドフォン差し込み口検出の2件の特許を侵害しているとして、米国への輸入差し止めを命じる決定を下した。
ブラックベリー は10%の大幅高。同社の取締役会は戦略的な選択肢を模索するために特別委員会を設置した。身売りや合弁事業の可能性もあるという。
原題:U.S. Stocks Fall Amid Japan GDP as Investors Await RetailSales(抜粋)
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更新日時: 2013/08/13 06:59 JST